『生きたことば、動くこころ』 河合隼雄語録
岩波書店 2010年8月27日
第1刷発行
京都大学の臨床心理学教室での事例研究会で河合隼雄さんが語ったコメントを当時大学院生であった藤縄真理子さんがテープに録音していてそれをノートにまとめたものがこの本の元だそうです。
大学院の授業での発言ですが、難しい専門用語をあまり使わないで、自分ならこうすると具体的に述べているので、岩波書店から、一般向けの本として出版してはどうかと提案されて、世に出ることになったとのこと。発言の元になった事例は掲載されていません。
大学の教室で1974年~1976年に語られたことが、このように現代にも意味を持つというのは、いつの世にも人間が問題に直面しながらも、よりよい方向へ歩んでいこうとする人生は、共通するところがあるということかもしれません。
臨床心理学を専門とするかしないかということも、大きな違いではないということになりましょうか。
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印象に残った言葉 ・・・ 66ページに 同情しない受容 という見出しの小文があります。
・・・僕が言いたかったのは、深刻に話を受け取る、深刻になるならないというより、人生はどうせ深刻だから、こっちがそんなに深刻にならなくてもいいということです。 ・・・ もっと同情しない受容、厳しい受容というのを考えないといけないと。 ・・・ 深い次元にいけばいくほど、クライエントの苦労も僕の苦労も何も変わりはないんでね。「生きる」という次元にもっと深くはいれば何も変わりはありません。だから、あなたも、私も同じ人間です、というレベルで受け取ったらいい。
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いかがでしょう。 わたしは、 真剣であれ されど 深刻になるな と以前書きました。 河合隼雄さんは 人生はどうせ深刻だから と言っておられますが、 上記の文脈で「深刻」をみると 通ずるところがあるように思えてきました。
時の記念日・・・ 時は金なりと 金言にありますが、お金では買えない面もあるので、 時はいのちを盛り込む器なり というのが、私の持論です(^J^)
今日も、よい日となりますように。
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