『俳句』 2015年7月号
『俳句』 2015年7月号
KADOKAWA 平成27年6月25日発行
昨年の7月号なのですが、特別企画の、団塊トリオが語る「俳句の未来」
座談会 (岩岡中正さん・高野ムツオさん)中から引用紹介させていただきます。
◇ 西村和子さん (昭和23年生まれ)中学生の時に
君に似し姿を街に見る時の心躍りをあはれと思へ
という啄木の歌によって、短歌の魅力に目覚めた。 文化の担い手はたとえ一握りでも、日本文化は花開くと語っておられることが心に残りました。
最近のご自分の俳句は 二人四人そして一人の葱刻む
夫婦となって、子どもとの四人家族、子どもが巣立って、伴侶が旅立って、一人暮らし ・・・ 葱を刻むとは時を刻むことと受け取る人がいて、自分の句をそのように詠んでもらえて嬉しく思っておられるとのことです。
□ 高野ムツオさん 昭和22年生まれ
俳句を作るということは、自分はこの場で、この瞬間、このように感じた、このように生きていたということを言葉であらしめるもの という言葉が印象に残りました。 もう一つ、長寿社会の俳句は今まであり得なかった・・・受け身にならず未来は切り開くもの・・・こういう社会に生きて子規や虚子が詠めなかった世界を詠む と語っておられます。
最近の俳句 億年の途中の一日冬菫(ふゆすみれ)
☆ 岩岡中正さん 昭和23年うまれ
俳句を詠むとは自分の人生に向き合うこと 一人一人が真剣に自分に向き合う時間を持てるかどうか 自分が自分であることを確認すること
自作の句 春の海かく碧ければ殉教す
さすがに、それぞれの方の言葉の切れ味に鋭いものがあると感じました。
俳句についての座談会ですが、一所懸命に打ち込んでいる世界に通ずるものがありそうですね。
今日も、よい日となりますように。
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