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2016年7月24日 (日)

『心を蘇らせる』 河合隼雄

『心を蘇(よみがえ)らせる』  

ー 心の傷を癒すこれからの災害カウンセリング  ー

河合隼雄  日本心理臨床学会 日本臨床心理士会

講談社 1995年12月18日 第1刷発行

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  こころを蘇(よみがえ)らせる ・・・ たいへんな題名だと思いました。阪神・淡路大震災の後、広く知られるようになったPTSD(心的外傷後ストレス障害)の子ども・大人の心を立ち直らせようと、多くの手がさしのべられました。この本はその時のことを中心に執筆されています。

  何とかして、少しでも役に立ちたい、と被災地に駆けつけた臨床心理士のかたたち・・・普段のお仕事で蓄積された学識と経験を生かすことができたかたもいらっしゃれば、深く傷ついて動揺している子どもたち、大人たちを前に為す術もなく、「臨床心理士」の腕章を外して帰られるかたもおられたそうです。

 必死に試行錯誤しながら、心がショックでかたくなになっている人に、動作法といって、身体をほぐし、柔軟さを回復できるよう働きかけたら、心もほぐれてきたという実践も紹介されています。 

 改めて、心というものの微妙さ、奥深さを垣間見る思いがいたします。

 中には、「今度の災害で命を失ったうちの嫁にあんたさんはよく似ている、できたらまた顔を見せておくれ」と、そういうことで心を開いていただけた臨床心理士もおられたそうです。

 この阪神・淡路大震災の後、次々と大きな災害、そしてテロ事件などが起こり、実際にそれを体験した人の数も多くなっています。 

 あまりにもこうした大きなことが連続するので、テレビなどで報道を目にすることが多くなり、そのために直接ではないにしても間接的に大きな災害や事件を体験することが重なって心にダメージを受けている方も増えています。

 こうした方々の心のケアはどうあったらよいのか、そのこともとても大きな課題だと思います。  

 こうすればよい、という公式はないようです。その方、その方が、そのときそのときベストと思えることをしながら、粘り強く歩み続けるしかないということなのかもしれません。

 答えを手近なところに求めて簡単に分かったつもりにならないで、真摯な態度で問いを抱き続けつつ歩む・・・そういうことが大切なのではないかと、この本を読んでいて思いました。

 ともあれ、今日も、よい日となりますように。

 日曜日。キリスト教会の礼拝にお出かけください。

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