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2016年7月 2日 (土)

『人はともだち、音もともだち』 池辺晋一郎対談×エッセイ

Img11『人はともだち、音もともだち』 

池辺晋一郎対談×エッセイ

池辺晋一郎 著

かもがわ出版 

2014年8月1日 第1刷 発行

 オペラ「鹿鳴館」などを作曲したり、黒澤監督の映画の音楽を担当したり、しばらく前には、テレビのNHK交響楽団の番組の司会者を務めたり 元気で多才な方ですね。

 けっこう、洒落も好きで、例えばピアニスト仲道郁代さんとの対談では

 ショパンはジョルジュ・サンドが好きだった。僕はツナサンドが好きですけれどね。ごめんなさい。3度はいいません。

 という具合です。

 この対話の中で、どう調べたのか分からないのですが、

ショパンの頃のコンサートは、コンサートの形が確立していなくて、会場はたばこの煙などでもうろうとして、舞台がおぼろげにしか見えていなかったりして、そこへ遅れてきた女性が客に振り向いてもらいたいからドターンと入ってくる。なかには酸欠になるから気絶する人がいる などと書かれているところがあります。 

 なにごとも、最初のころは、こんとんとしていて、ちゃんと確立していくのはたいへんなことなのだなと思いました。

 それと、ショパンはヴァイオリンの先生についたり、作曲の先生に学んだりしているけれど、ピアノを専門とする人に習ったことがなかった ということも書かれていて、勉強になりました。

 黒澤明監督の映画「夢」の制作では、夢の中にゴッホの絵が出てくるところで、ショパンの「雨だれ」をアシュケナージが弾いている演奏のように一流の人に弾いて欲しいということになって池辺先生が仲立ちしてピアニストの遠藤郁子さんに無理を言って頼んだこと、朝10時にとりかかって午後4時まで録音にかかりきり、映画では40数秒ということも、この本で初めて知りました。

 もう一つ、池辺さんのことばで、印象に残ったことを引用させていただきます。

    ◇      □      ○     ☆

 僕は、年齢というのは、なんのために1つずつ年をとっていくかということを考えます。特にものをつくる人間にとっては、その年相応のことを言うために年を取っているんだと思っているんですね。ものをつくる人間は、その時々で言いたいことがある。70になれば70で言わなければいいけないこと、80になれば80歳で言わなければいけないことがある。その年じゃなきゃ書けないものがある。それを常に見つめていなきゃいけないってことを考えるし、そういうことをきちっと具現する年にしたいと思っていますね。

            ◇      □      ○     ☆

 うーむ、ものをつくる人にとってだけでなく、大切なことが語られているように思いました。

 今日も、よい日となりますように。

 

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