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2016年8月22日 (月)

『吉沢久子 97歳のおいしい台所史』

『吉沢久子 97歳のおいしい台所史』  吉沢久子 著

集英社 2015年7月8日 第1刷発行

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 このかたが古谷綱武さんと結婚された1950年(昭和25年)32歳のときに東京日日新聞に暮らしの原稿を連載することになったとき「主婦」と書くかどうか考えていたときに、友人が「家事評論家」としたらどう、と提案してくれたのだそうです。そのころ、ほかにそういうことで執筆している方がなかったそうで、「家事評論家第一号」となったとのこと。

 66歳で夫の古谷綱武さんと死別され、とても寂しかったそうです。一緒に笑ったり、本を読んだり、意見を言い合ったり、共通の経験をしたり、共通の思い出を語り合う人がいなくなったということが。

 寂しい日が続いて心がささくれだったような、ざらついてきたようなとき、外で、好物の柿の白和えを食べたら本当においしくて、ああ、もっと食べたいと思い、自分で作ろうと台所に入ってからは、何だか身体が軽くなったようで、気持ちも自由になって、そうだ、この一人暮らし、一人の時間は、家族が、私にくれた贈り物なのだ、と思ったそうです。

明日は分からない、でも何とかなるだろう という章に次のように書いておられます。

    ◇    □    ○    ☆   ※  

 私は、一生活者なんです。でも、今日できたことが、明日どうなるかは、分からない。不安が全くないと言えば、そうでもありません。一人ですから、突然胸が苦しくなったらどうしよう、泥棒が入ってきたらどうしようか、地震で家が壊れてしまったら・・・など、不安をあげたらきりがありませんよね。

 もう、百年近くを生きてきて、それを数えて日々暮らしていくより、私は、明日はどうなるか分からないと思っているのですね。だから、今日を精一杯生きよう、と。朝起きて、さあ、何を食べようかな、あの本を読んでみようかな、菜園の葉っぱはどうなっているかな、あの方に手紙を書こうかな、今夜は動物の番組があるし、夕食はカンパリでも飲んで・・・。

 私の性格なのかもしれませんが、心配したり、悩んだり、クヨクヨしたりということが、幸い、私にはあまりないのです。

 ストレスもなく、すごく幸せなのですね。

       ◇    □    ○    ☆   ※

 前向きにいろいろなことに取り組まれた例として、早い時期にタイピングを覚え、速記の技術を身につけ、エスペラントの学習会に加わって学ばれました。セキスイプレハブ住宅が売り出されてそれを買ったときには、セキスイの方が黒川紀章さんを連れてインタビューにみえたそうです。吉沢さんが『婦人公論』などで、モノを買うときは「使用頻度」を考慮したほうがよい、と言ったら、それ以来「使用頻度」という言葉が社会に定着したことも書かれています。

 『前向き』という本を2011年に出され、著書も増えてベストセラー作家になっておられるそうですから、私が書くまでもなく、多くの方に知られ、愛されている方なのだと思います。

 今日も、よい日となりますように。 

 

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