走れ メロス その3
今日まで引っ張ってしまって、すみません。3回で,この話はフィナーレですので、お許しください。
1 セリヌンティウスは左利きだった これもありです。
2 上とは別の読み → ということは、セリヌンティウスは右利きだったということになります。
古代ローマなど、奴隷がいた時代、主人が奴隷を懲らしめるときに手のひらの反対側、つまり、手を裏返して手の甲で相手を叩くことがあったそうです。この叩き方(裏拳というそうです)でセリヌンティウスがメロスを叩いたのではないかというのが第2の読みです。
命をかけて、メロスの身代わりになっていたセリヌンティウスを一瞬でも裏切ろうと考えたメロスを奴隷を懲らしめるときのように手の甲で刑場いっぱいに鳴り響くほどの勢いで叩く そして、メロスを殴った後、この三日の間たった一度だけちらと、生まれて、初めてメロスを疑ったことを告白したセリヌンティウスを今度はメロスが同じように殴る。・・・ 二人の友情が強いものであるからこそ、徹底的に裏切りの思いを憎み、排除する・・・胸の内に生じた黒い思いを告白し合って思いっきり殴り合って罰し合ったからこそ、、「ありがとう、友よ」とひしと抱き合ってうれし泣きに二人は泣くことができた。およそ、こういう読みとなりました。
あの質問があったから、この読みが生まれたことをクラスで喜び合いました。この学びを成立させてくれたあのときの生徒の皆さん、ありがとう。私にはもったいないすばらしい生徒でした。元気でね!!
教師は、ベストを尽くして準備・計画して生徒の前に立ちたい。その上で、生徒の意見・質問を真摯に受けとめ、学習を深めたい。 ← 定年退職後、母校の大学で講師を務めたときに、教師を志す後輩に、「走れ メロス」でのこのときのことを挙げて語り伝えました。
私の大切な思い出となっています。 長良のぶどうの話からここまでおつきあいいただきまして、ありがとうございました。
【付記】 曾野綾子さんの本に、人を手のひらで叩いたときと手の甲で叩いたときの償いの金額がおよその見当ですけれど、書かれています。
明日、そのことを書かせていただきます。
よい日となりますように。 今夜は中秋の名月、芋名月だそうです。(このお芋は里芋とのこと。) 満月は9月17日になるとのことです。さて、空が晴れて、見ることができますでしょうか。
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