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2016年10月24日 (月)

『湖底の城 呉越春秋 7 』 宮城谷昌光

『湖底の城 呉越春秋 7 』

宮城谷昌光 著
講談社 2016年9月27日 第1刷発行
※ 『小説現代』 2015年9月号 ~ 2016年8月号 に連載され、それが、単行本になったのが、この第7巻です。 この物語とは、そういうわけで七年越しのつきあいということになります。 図書館に、その年の第☆巻が姿を現しているのを見つけるのは、とても嬉しい時間の始まりとなります。
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  さて、第6巻までは、伍子胥(ごししょ)という人物に軸足を置いて、孫武という軍事の天才を生かした呉が楚に大勝し、呉が隆盛となる展開でした。
  この7巻では、今でも「呉越同舟」という言葉が残っているほど、呉とは仲の悪かった越との戦い・・・越王勾践(こうせん)と彼に仕える范蠡(はんれい)が呉を破り、父王を倒されて呉の王となった夫差はその復讐の思いを強くつのらせて、間もなく越に攻めてこようとしているところまでが書かれています。
 印象に残ったところを紹介させていただきます。
 父の喪に服して喪屋に起居している勾践に、計然という優れた師の講義を聴いて学んだことの報告に范蠡が訪れる場面で、范蠡が痛感したことです。
 人の胸を打つことばとは、いちど腑(ふ)に落としてからだしたものなのである。
  □     ◇      ○    ☆     ※
 付和雷同 ということばを、范蠡(はんれい)の上司が分かりやすく説くところもあります。
 君主はおのれに同ずる者を求めがちであるが、そういう者が増えると国家は危うくなる。臣下は君主に和するのがよい。なんじは、和するとはどういうことか、わかる面(つら)をしている。
     □     ◇      ○    ☆     ※

句友人

 ある有力者が、自分の娘、白斐(はくひ)の結婚相手として范蠡の品定めに行き、すっかり范蠡に魅了されて、帰宅して娘に告げる場面があります。 いいなぁ、と思いました。
 帰宅した宝楽は、すぐに白斐をみつけた。おそらく白斐は父の帰りを息を凝らして待っていたのであろう。もともと皓(しろ)い顔がさらに白かった。宝楽はその前に坐ると、大きく呼吸してから、「そなたの夫になる人は、海内一(かいだいいち)だ」と大仰にいった。
さっと白斐の顔に赤みがさした。多くの人を観てきた父の目が、みそこなうはずがない。そう信じている白斐は安心のため息をついて、父にむかって頭をさげた。
         □     ◇      ○    ☆     ※
  と、喜んでしまって、引用が長くなりました。 フアンの引き倒しになっているかも知れませんが、どうぞ、お許しください。
  そして、よろしかったら、1巻から7巻まで、どうぞ、ご自分でお読みくださいますように。 私の借りている第7巻も、出来るだけ早く図書館に返却いたしますから。


 今日も、よい日となりますように。

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