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2016年11月26日 (土)

『友ありき 与謝蕪村』  渡辺 洋 著

『友ありき 与謝蕪村』  

渡辺 洋 著

ぷねうま舎 2916年9月16日 第1刷発行

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 著者 渡辺 洋 さんは、福岡県八女市出身、1941年生まれ。地理にも弱い私ですが、八女市は、名前からいって「八女茶」(やめちゃ)というお茶の産地ではないでしょうか。 渡辺さんの専門は、応用遺伝学とのこと。

  ◇   □   ○   ※   ☆

  君あしたに去(り)ぬ ゆふべのこゝろ千々(ちぢ)に

 何ぞはるかなる

 君をおもふて岡のべに行きつ遊ぶ

 をかのべ何ぞかくかなしき

 蒲英(たんぽぽ)の黄に薺(なずな)のしろう咲きたる

 見る人ぞなき

 雉子(きぎす)のあるかひたなきに鳴くを聞けば

 友ありき河をへだてゝ住(み)にき

   ◇   □   ○   ※   ☆

 渡辺さんは、「江戸時代の中頃、こんな近代詩的詩句にはじまる「北寿老仙をいたむ」を詠んだ青年蕪村は・・・

 とこの書を初めておられます。

 本当に近代詩のようですね。 与謝蕪村は、絵をなりわいとし、俳諧を趣味とする生き方を臨んでいたようで、そして漢詩文にも親しみ、芭蕉の奥の細道の軌跡を苦労しながらたどった人 ・・・まだ、読み始めてあまり進んでいないのですが、そういう人のようです。

 ちょっと寄り道をしてしまいますが、作家の伊集院 静さんが、こんなことを書いておられます。

   ※   ☆   ○   □   ◇

 与謝蕪村という人物がいる。芭蕉没後、20年して生まれた絵師であり、俳人であるが、この人が芭蕉をいつくしんだ。 私は蕪村の画と句が好きである。蕪村の句は、私の身体の中にすんなりと入り込んだ。

 月天心 貧しき町を 通りけり

 この句と遭遇した時、O・ヘンリーの短編集の一篇を読むような気持ちになった。中世ヨーロッパのキリスト教世界のファンタジーを見る思いがした。

 中略

 (蕪村は)55歳の折、江戸の師であった夜半亭の二世を襲名する・・・その全盛期に蕪村は芭蕉を改めて称賛し、『奥の細道』の全文を書き写し、挿絵を描く。

 五月雨を あつめて早し 最上川  芭蕉

 五月雨や 大河を前に家二軒    蕪村

 私は蕪村の句の方が、身体に入り易い。  後略

   『文藝春秋』 2015年9月号  「文字に美はありや」 第21回 漂泊者の目と書 より 引用させていただきました。

   ※   ☆   ○   □   ◇

 寄り道から戻らずに、この項は閉じさせていただきます。

 うーむ、何しろ、芭蕉も蕪村も 漂白の人生のかたですから、そういうことで、おゆるしくださいまし。

 今日も、よい日となりますように。

 明日は日曜日。キリスト教会の礼拝にお出かけください。

 

 

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