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2017年1月 8日 (日)

『大村智ものがたり』 (おおむらさとし ものがたり)

『大村智ものがたり』 ー苦しい道こそ楽しい人生ー

馬場錬成 著

毎日新聞出版2015年12月15日  第1刷

         2016年4月30日 第4刷

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 大村 智先生は、2015年にノーベル生理学・医学賞を受賞された方です。この本は、子ども向けに書かれています。大村先生のことを知るほどに、とても魅力のある方だと、ますます尊敬の念が強まってきます。

   アフリカや南米の熱帯地方に古くからオンコセルカ病(河川盲目症)という恐ろしい病気があり、大村智先生のイベルメクチンという薬が出来るまで、毎年約1800万人がこの病に感染し、そのうち、約27万人が失明し、50万人が眼に障害をもつようになるというデータがありました。

 大村先生とアメリカの製薬会社は、WHO(世界保健機構)の要請に応えて、無料でイベルメクチンを必要な人たちに提供したそうです。 ハエよりも小さい、ブヨと名前が似ているブユという虫がこのびょうきを感染させていて、広大なアフリカ大陸では、殺虫剤をまく作戦も効果がなく、オンコセルカ病が流行すると住まいを捨てて、他の土地に逃れるしかなかったそうです。

 イベルメクチンは、年に一回、医師や看護師が立ち会わなくても、薬を飲めば、それで治り、副作用もなく、耐性をもった線虫も現れてこないという夢のような薬だそうです。

 家畜、数億頭、そして少なくとも二億人以上の方が、この薬で救われているというのがすごいですね。 ヒゼンダニによる疥癬、犬のフィラリアにも効力を発揮しているとのことです。

   この本の写真は、2004年に大村先生が、WHOを訪れ、そしてガーナに現地の様子を見に足を運んだとき、大村先生が開発した薬の名を口にした途端、JAPANときいても何も反応しなかった子どもたちが目を輝かせて、一緒に撮った写真だそうです。

 山梨県の韮崎で生まれ、育った大村智さんは、家の農業の手伝いはよくしたそうですが、スキーや卓球などに熱心で、勉強にはそれほど打ち込まずに山梨大学の学芸学部自然科学科を出たのだそうです。 このあたり、謙遜なさっている面もあるかも知れません。

 私が心を打たれたのは、都立墨田工業高校の夜間部の理科、そして体育の先生になったとき、ノートに鉛筆を走らせている生徒の指が昼の労働のために油で汚れていたのを見て、大村先生が、自分の高校・大学時代にこんな真剣さがあったか、と猛省し、自らの勉強に拍車をかけたというところです。

 ノーベル賞を受賞されたときも、「私は微生物のすることを見ていただけです。私より微生物に賞をあげたいです」とおっしゃったお人柄、すてきですね。

 山梨県の韮崎には、大村先生が故郷への恩返しになればと、美術館・温泉・そば屋さんが建てられているそうです。

 一度行ってみたい気がいたします。

 今日も、よい日となりますように。 日曜日、キリスト教会の礼拝にお出かけください。

 兄の誕生日、おめでとうございます。

 

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コメント

是非山梨においで下さい。
大村美術館の二階の窓からの山々の風景もまた素晴らしいです!

※ ムーミンパパより
 温かいコメントありがとうございます(^J^) 2017年も、どうぞよろしくお願いいたします。 おそば屋さんも魅力ですね。行けたら嬉しいので、楽しみにさせていただきます。

投稿: ペパーミントグリーン | 2017年1月 8日 (日) 08時57分

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