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2017年1月21日 (土)

力で押し切っては いけないこと

 私の好きな作家、宮城谷昌光さんの著作に、「正しいことが必ず力をもつ。これを文化という」という言葉があります。

 ピストルを持った人間は、銀行強盗が出来るかもしれません。けれど、それは、正しいことではありません。

  ユダヤ人であったために収容所に入れられ、九死に一生を得たフランクルという哲学者がおられます。奥様は、収容所で命を落とされました・・・別の建物に収容されていたのに、フランクルさんにはそのことが感じられ、解放後に記録によって、フランクさんが感じたその日に亡くなっておられたことが確かめられたそうです。

 フランクルさんは『夜と霧』にその収容所生活のことを書いておられます。新しく訳された新版を読みましたが、驚きましたのは、怒り、哀しみなどをなまのかたちでは表現しておられないことです。

 シスター渡辺和子の講話集のなかにフランクルさんのことが語られていました。(ご存知のかたも多いと思いますけれど、渡辺和子さんは、1936年、2.26事件のとき、すぐ目の前で、お父さん、軍の教育総監であった渡辺錠太郎さんの命を奪われたかたです。)

 収容所では朝、健康状態のよくない人はガス室に送られてしまうという過酷な状況におかれていたそうです。即日の場合も、しばらく様子を見て明日も元気がない状態だったら・・・という場合もあったのでしょうか。 強制労働に行く体力がなくて、宿所に残される人の枕元に、これからつらい労働にかり出される人がパンを置いていくのだそうです。それは、その人のその日の食べ物の全部・・・ そのパンをこれを食べて、元気になれよ との心を込めてさりげなく置いていくのだそうです。

  冒頭の言葉に戻らせていただきます。 「正しいことが必ず力をもつ。これを文化という」・・・この言葉通りの文化が世界の人の共通のものになったら、ピストルで、人を従わせること、数の力に物言わせて、小数の人を虐げることは、起こりません。 9歳の子の目前で、その子の父親に機銃掃射を浴びせて命を奪うことも、起こりません。

 高スピードで走る車を設計するとき、最も大切なこと ・・・ 強力なエンジン ? 丈夫なタイヤ?  それも必要でしょうけれど、 一番大事なのは、そうです、そうなんです。 暴走しないようにきちんと車を止めることの出来るブレーキです。

  なぜ、今日、この記事なのか ・・・ そうお尋ねのかた ・・・ いらっしゃいませんね。 ありがとうございます。 

 今日も、よい日となりますように。

 長男の誕生日です。おめでとう。

 明日は日曜日。キリスト教会では神様に礼拝が献げられます。

 

 

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