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2017年3月10日 (金)

『下町ロケット 2』

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『下町ロケット 2』

池井戸 潤 著

小学館 2015年11月11日 初版 第1刷 発行  11月18日 第2刷 発行

 先日読んだ『下町ロケット』の続編です。

 今回は、ロケットエンジンのために精巧なバルブをバルブを作り上げた経験・技術を生かして、医療の分野に取り組む佃製作所の挑戦と苦難が描かれています。

 大きな会社などの横柄さ、憎々しい人物が立ち塞がり、苦境に追い込まれる佃 航平社長 ・・・ 彼に「人が好(よ)すぎませんか、と苦言を呈する社員。大きな会社に引き抜かれて退社した社員が一人出て、企業秘密漏洩の心配が大きくのしかかってきていたのです。

 けれど、佃 航平社長は、こう言いきります。

「だけども、社員を信じられなくなったら、社長なんかやってられないんだよ。オレはお前たちのことだって、心から信用してる」 

 印象に残った場面から、引用させていただきます。

  □   ◇   ○   ※   ☆

 開発に行き詰まった技術系の社員が、心臓血管外科の手術の現場を見に行く場面があります。 自分たちの取り組んでいる日々の仕事が誰のためか、どんな意味があるのかを見失いかけたのです。 入院している子どもたちへのお見舞いの品も用意して出かけた彼らは、再び大いなる熱意を快復させて戻ってきます。

 苦心して試作品を仕上げた彼らは、佃製作所が中小企業だからという理由で、道を閉ざそうとする相手に、普段とは打って変わった表情で語りかけます。

「命の尊さを、会社の大小で測ることができるでしょうか。私はできないと思う。どんな会社であろうと、人の命を守るために、ひたむきに誠実に、そして強い意志をもって作ったものであれば、会社の規模などという尺度でなく、その製品が本当に優れているのかどうかという、少なくとも本質的な論議で測られるべきです」

 立ち塞がっていた厚い扉の一つが開かれました。

   □   ◇   ○   ※   ☆

 ・・・ 先行きを心配していた読者の一人、私は、さわやかな読後感をもらいました。

 池井戸 潤 さんは、岐阜県八百津の出身の作家だとのことです。

 好きな作家が、一人増えました。

 今日も、よい日となりますように。

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