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2017年5月 4日 (木)

『音符ではなく、音楽を!』

0002『ピアニストが語る! 音符ではなく、音楽を!』

現代の世界的ピアニストとの対話 第二巻

焦  元溥 (チャオ ユアンフ) 著

森岡  葉 訳

  書名に惹かれました。「木を見て森を見ず」、とか 「鹿を追う猟師、山を見ず」 ということばと通ずる表現ですね。

 この本で著者と対話しているタマーシュ・ヴァーシャーリというピアニストがこのように語っているのが印象的でした。

 ◇    □    ○   ※  ☆

 テクニックを軽視するわけではありませんが、音符をいかに正確に弾くかということだけで演奏のよし悪しを判断し、心や感情の表現を考えないのは間違いです。もしも、その作品に流れている精神や情感を正確に汲み取って演奏できれば、演奏上の些細なミスは許されるべきだと思います。音楽は詩であり、情感であり、魂の表現なのです。科学ではありません。 私がそのような信念を堅持して後進の指導に当たっても、彼らが楽壇で成功できるかどうか、ましてコンクールに通るかどうか、とても難しいと思うのです。そういうわけで「芸術は教えることができない」という感をますます強くしています。愛というものがわからない学生に、どうやって愛を教えることができるでしょうか?そして愛がわからなければ、ショパンを演奏できるでしょうか。

     ◇    □    ○   ※  ☆

 端的な表現に、とても大事なことが込められているように思いました。

  その一つが幼い魂にしっかり向き合うことの大切さです。ピアニストたちはそれぞれその師と幼いときによき出会いをしているからです。 ・・・ 河井隼雄さんの『子どもの宇宙』(岩波新書)の冒頭のことばを思い浮かべました。この宇宙のなかに子どもたちがいる。これは誰でも知っている。しかし、ひとりひとりの子どもの中に宇宙があることを、誰もが知っているだろうか。それは無限の広がりと深さをもって存在している。大人たちは、子どもの姿の小ささに惑わされて、ついその広大な宇宙の存在を忘れてしまう。

 今日も、よい日となりますように。

 

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