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2017年6月29日 (木)

『みすゞコスモス わが内なる宇宙』 矢崎節夫 著 

0002_2『みすゞコスモス わが内なる宇宙』 

矢崎節夫 著

JULA出版局 

1996年12月5日 第1刷

 著者、矢崎節夫さんは、金子みすゞさんが亡くなった後、彼女の作品が散逸してしまったため、「幻の童謡詩人」と語り継がれるばかりになっていたのを、長年努力して遺稿集を見つけ、金子みすゞさんの詩集を出版された方で、自らも童謡詩人であるとのことです。

 この本は、金子みすゞさんの童謡35編とその童謡を「かってに旅行し、今の私(矢崎さん)が見、聞き、感じたことをまとめたもの」だとのこと。 みすゞさんの詩、そのあと、矢崎さんの文 という構成の積み重ねになっています。   少し引用・紹介させていただきます。

 ◇  □   ○   ※  ☆

 花のたましい  金子みすゞ

 散ったお花のたましいは、

 み仏さまの花ぞのに、

 ひとつ残らずうまれるの。

だって、お花はやさしくて、

おてんとさまが呼ぶときに、

ぱっとひらいて、ほほえんで、

蝶々にあまい蜜をやり

人にゃ 匂いをみなくれて、

風がおいでとよぶときに、

やはりすなおについてゆき、

なきがらさえも、ままごとの

ご飯になってくれるから。

 これに続く矢崎さんの文章 抜粋

  ・・・阪神・淡路大震災の後、一人の小さい人の言葉を聞いて、〝いのち〟ということを深く考えさせられました。 テレビのニュースキャスターが避難している人達に、「今、一番欲しいものはなにか」をたずねた時のことでした。

 水がほしい、食べ物がほしい、家がほしい、と大人はみんなこう答えました。

 小学生が一人いました。「あなたが今、一番ほしいものはなに?」キャスターがたずねました。

  小学生は、大人では考えられないことを答えました。

  「友だちのいのち」

  ・・・この小さい人は、二度と戻ってこない「友だちのいのち」が、一番ほしいといったのです。

 理不尽にも、一瞬のうちにいのちを奪いとられたくやしさ、怒り。小さい人のひとことの中に、いのちの悲しみの本質を知らされました。

 いったい、〝いのちは、どこからきて、なにをし、どこへいく〟のでしょうか。

     ー 後略 ー

    ◇  □   ○   ※  ☆

  やさしさ  ふかさ  に 満ち   そして 宇宙のように ひろく ひろがっていく世界を感じさせられる本です。 よろしければ、どうぞ。

  今日も、よい日となりますように。

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コメント

幼子のような心で見なければ一番大切なことは見えないということを改めて教えられます。
※ ムーミンパパより
  コメントありがとうございます。
  八木重吉さんが、幼いわが子の目が欲しいと言う詩を書いておられたことを思い出しました。 『星の王子様』なども、読み返してみたくなりました。

投稿: ディンブラ | 2017年6月29日 (木) 23時35分

たましいに届く詩です ありがとうございます 天野忠もとてもいいです ありがとうございました

※ ムーミンパパより
  コメント、ありがとうございます。
  優れた詩人は、たくさんの人の心に美しい花を活けてくださるような、すてきな麗質が備わっている・・・そういう思いがいたしますね。  そういう詩に巡り会えると人生の不思議さを思い、感謝いたします。

投稿: 敦子 | 2017年6月29日 (木) 10時05分

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