赤いヤマボウシの花
ヤマボウシの花は白いものだと思っていましたら、岐阜市の長良公園で、赤いヤマボウシに出会いました。岩手県で発見されたようです。説明板とともにご覧ください。
説明板に ミス サトミ とあるのは、発見された方か、そのお身内のかたのお名前でしょうか。
ロマンチックですね。
新しく発見された植物 あるいは星や貝などに ご自分の お名前が付くこともあるかもしれません。
みおつくし料理帖 6 『心星ひとつ』の「心星」(しんぼし)というのは、北極星をさす言葉だそうですが、その本の一節を引用させていただきます。 澪(みお)は主人公の料理人の名、源斉は彼女が信頼を寄せる医師です。
◇ □ ○ ☆
澪 「道が枝分かれして、迷いに迷った時、源斉先生なら、どうされますか」
源斉は澪の横顔に視線を移し、少し考えて答えた。
「私なら、心星を探します」
「心星?」
そう、心星です、と源斉は深く頷いてみせる。
「あそこに輝く、あれが心星ですよ」
源斉の指が、天の川から北へずれ、淡い黄色の光を放つ星を示した。
「より明るく輝く星は、ほかに幾つもあるけれども、あの星こそが天の中心なのです。全ての星はあの心星を中心に廻っているのですよ」
天に中心があるなど、考えたこともなかった。澪は声もなく心星を見上げる。「苦しみ、迷い、思考が堂々巡りしている時でも、きっと自身の中には揺るぎないものが潜んでいるはずです。これだけは譲れない、というものが。それこそが、そのひとの生きる標(しるべ)となる心星でしょう」
源斉の静かな声は、渇いた砂が水を吸うように澪の心に沁みていった。澪は瞳を閉じる。閉じてなお、心星は瞼の裏で輝き続けた。
探そう、揺るぎのない心星を。 澪はそっと、胸のうちに誓った。
◇ □ ○ ☆
みおつくし料理帖 には、心に響く言葉が、たくさんあります。 料理は それを食べる人のことを心から思う祈り という表現 などなど。 よい本に出会えたことを喜んでおります。
今日も、よい日となりますように。
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