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2017年11月 2日 (木)

『親子で歌いつごう 日本の歌百選』

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『親子で歌いつごう 日本の歌百選』

文化庁 編

東京書籍

平成19年5月28日 第1刷発行

  この書の選考委員長を務められた伊藤京子さんは、冒頭でこんなことを記しておられます。

 平成18年に当時の文化長官、河井隼雄さんと対談し、「歌でつながる人と心」というお話をしたとき、河合長官から、みんなで共通に歌える歌が消えかかっているけれど、だからこそ、世代を超えてみんなで歌を歌うことを大切にしたいと思っていると言われ、喜んでお手伝いします、と答えたことがこの本の生まれるきっかけとなった。

   ◇   □   ○   ※    ☆

 どうしても100曲に絞り込めず、101曲になったそうです。

 この道に造詣の深い上田信道さんが各曲の生まれた背景などを丁寧に解説され、全国から寄せられた歌にまつわる想い出など6671通から選ばれたエピソードが紹介され、中身の濃い一冊となっています。

 ♪「リンゴの唄」について、引用・紹介させていただきます。

 戦後初の大ヒット曲。歌った並木路子さんは、昭和20年10月封切りの映画「そよ風」の主演女優。戦争で両親やお兄さんを失った並木さんは、「とてもこの歌を明るく歌う気にはなれません」と、断ったそうですが、「街には親を失った子どもたちが元気に働いている」と諭されて、気持ちが吹っ切れたそうです。藤山一郎さんとのデュエットで歌われたのですね。

 昭和20年12月、NHKラジオの公開番組「希望音楽会」で放送されたとき、並木さんはリンゴの入った籠をかかえて客席に降り、リンゴを配りながら歌い、食糧難の時代でしたので、とても喜ばれたそうです。当時、公務員の大学卒初任給が540円で、リンゴは闇市で十円で三つ という状況だったそうです。

  こんなふうに、この本に収録された曲の一つ一つに詳しい解説が添えられています。

  ちなみに、この翌年、昭和21年8月25日にラジオ番組「空の劇場」で登場した♪「みかんの花咲く丘」で、みかんの実ではなく、花が歌われているのは、あまりにもヒットして歌われている「リンゴの唄」の真似をしたといわれたくないと、作詞者が考えたからだそうです。 一つの曲は、いろいろな影響を与えるのですね。

  この本が出版されて10年、新しい曲も、どんどん生まれてきています。気の合う人たちと一緒に歌える歌、時間を大切にしたいと思いました。

  今日も、よい日となりますように。

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