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2018年2月13日 (火)

右の頬を打たれたら  『現代に生きる聖書』 曾野綾子

 イエス・キリストが山に上って語られた「山上の垂訓」・・・66巻ある聖書の中で特によく知られている箇所ですね。

  『現代に生きる聖書』 曾野綾子 著 NHK出版 2001年5月25日 第1刷発行から、山上の垂訓の「だれかがあなたの右の頬を打つなら、左の頬をも向けなさい」について、引用・紹介させていただきます。

0007 曾野綾子さんは、こう書いておられます。

 まず、あなたが敵対している相手と向かい合っているところを想像してみてください。ここで相手を打つときには、だいたいの人が右利きですから、右の手をあげて相手を打つ。そうすると相手のどちらの頬を打つかと言えば、自然に「左」の頬を打っているわけです。これは聖書に書かれている位置とは違います。どうやったら向かい合った相手の「右」の頬を打てるかと言うと、右利きの人の場合なら手の甲で打つのです。

  この手の甲で打つことは、相手に非常な侮辱を与えるものであったということになっています。

『ミシュナ』というユダヤ法を集成した書物の「損害の巻」のなかに「ババ・カマ(第一の門)」という章があります。

・・・その八-六というところに、「男が同胞の横面を張ったら、彼は四百デナリオン払わねばならない」とあります。その場合、平手で打ったら二百デナリオンで、手の甲で打ったら四百デナリオン払わなければいけないのです。要するに、甲打ちは平手打ちの倍の値段を払わねばならなかったということです。デナリオンというのは今で言うといくらくらいになるか、正確に換算することは不可能でしょうが、一日の労賃が一デナリオンと言われていました。今の労賃にしたら大変なものです。もし一日の労賃が一万円としたら、横面を手の甲打ちで侮辱的に打ったら、四百万円、つまり一年分の収入以上のものを相手に払わなければなりません。手の甲で打つことは、それほど相手をばかにしているということであって、この『ミシュナ』の規定は、その精神的な痛めつけられ方に対して補償してもらおうではないかということだろうと思うのです。

   ◇   □   ○   ※  ☆

 ここまでお読みいただき、ありがとうございます。 実は、太宰治の「走れメロス」にメロスとセリヌンティウスが頬を打ち合う場面があって、そこで、ある生徒が「セリヌンティウスは左利きなのですか」と質問を発したのが、この文と私の出会いとなったのでした。

  さて、イエス・キリストが教えているのは、どんなことなのか、は明日、引用させていただきますね。

  今日も、よい日となりますように。

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コメント

太宰治の作品は聖書と密接ですね。晩年に書かれた『饗応婦人』などは正に隣人愛そのものです。ただし太宰自身は「己を愛する如く」ということが理解出来なかった作家だという、地元青森在住の木村将人さんの論が『太宰治ー聖書を中心としてー』(高木書房)にあります。これは6年前に斜陽館を訪れた時に買った本ですが、「金木観光物産館」以外には出していないと書いてありますので、おそらく私もそこで入手したものと思います。
ではキリストの教えのお話のつづき、楽しみにお待ちいたします。
※ ムーミンパパより
  コメント、ありがとうございます。太宰治の『饗応夫人』、読んだことがないので、読んでみます。ありがとうございます。斜陽館を訪れておられるのですね。 私も訪れたいところをリストアップして、元気な内にそのいくつかに出かけてみたいです。
  この『現代に生きる聖書』、曾野綾子さんは「聖書の話をするということも、考えてみれば、かなり恐ろしいことなのですが、それを充分に知りながら私は語ることにしました。私自身があまりにも多くのものを聖書から得たからです。それはもちろん信仰深い人の神への近づき方でもなければ、神学者の深い造詣とも違います。しかしとにかく私は聖書によって自分を創られました。・・・」と前書きに書いておられます。ブログでは一部分しか紹介できませんが、良書だと思います。  

投稿: ひかる | 2018年2月13日 (火) 04時01分

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