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2018年2月20日 (火)

葉室麟さんの本

 2月1日、「会話のひとことから」と題して、葉室麟さんの本の数冊を取り上げました。 その後読んだ本の追加です。

0009『恋しぐれ』

文藝春秋 

2011年2月20日 第1刷発行

 与謝蕪村・円山応挙上田秋成などの文化人が登場しています。

  ところどころに、蕪村の句が登場します。

 春雨や ものがたりゆく蓑と傘

 月天心貧しき町を通りけり

 花守は野守に劣るけふの月

 牡丹散て打ちかさなりぬ二三片

 作中の円山応挙が弟子に語る

「物のかたちを通して心を伝えるのが絵やとわしは思うてる」

という言葉が印象に残りました。

0007『大獄』

文藝春秋

2017年11月15日

第1刷発行

 安政の大獄  国の行き先を憂う人たちの命が、どれほどたくさん喪われたことでしょう。

 西郷隆盛が藤田東湖に堂々と

 おのれが正しいことは口にせずとも人に伝わるのではごわはんか。たとえ伝わらずともおのれが玉であれば、ことさらに玉であると高言せずともいいとおいは思いもす

 と語る言葉、生き方が光を放っていると思いました。

0005 『潮騒はるか』

幻冬舎

2017年5月25日 第1刷発行

 長崎を舞台に、長崎奉行所、シーボルトの娘おいねなどが登場しますが、あくまでもフィクションです。

 葉室麟さんの作品には、西郷隆盛、勝海舟、山岡鉄舟など歴史上の人物が、ほれぼれとする生き様で登場し、心を惹かれます。

 この作品では、創作上の人物のようですが、平野次郎という人物がさっそうとした快男児ぶりを発揮しています。

 巻末で、菜摘という鍼治療の女医が長崎で「時雨堂」という看板を上げます。その名の由来が気に入りました。   時雨とは、ほどよい時に降る雨のことだという。医者は早すぎても遅すぎてもいかん。ちょうどよいおり、病に苦しむ人を癒やす雨でなければいかんからな

 早すぎてもいかん というのは、どういう場合だろうという思いは浮かびましたが、一人の作家の内面世界は、とても広大で、そして深いと思いました。

  今日も、よい日となりますように。

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