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2018年2月27日 (火)

作家 葉室 麟さんの ユーモア発見

 葉室 麟さんの著書を読みながら、とても生真面目な武士がいつも登場するのに心を打たれながら、どうも、いつも羽織袴を着用して毎日を歩んでいる侍が主人公では気詰まりだなぁ、と ・・・ 武士ですから、実際に登城するときは、どの侍も羽織袴でしょうけれど(^J^)

0010  そうしたら、表現は物静かなのですけれど、読んでいて、あれっ、ひょっとして、ここは笑うところなのではないか、と気がつきました。そう思って読み進むと、この作品は、はっきり言って、葉室麟さんのユーモア小説なのだというところがどんどん出て来ました。

  それが、この本『螢草』です。

   題名の螢草は、小さな青い花を咲かせる露草、万葉集には月草(つきくさ)、俳諧では螢草と呼ぶことを、主人公の菜々に勤め先の武家の奥方、佐知が教えてくれます。

 月草の仮なる命にある人をいかに知りてか後も逢はむと言ふ 万葉集

 佐知は菜々に語ります。

露草の儚(はかな)さにたとえ、わたしにはかりそめの命しかないことをしらないのだろうか、後に逢おうとあの方は言っているけれど ・・・ ひとは相手への思いが深くなるにつれて、分かれるときの辛さが深くなり、悲しみが増すそうです。ひとは皆、儚い命を限られて生きているのですから、いまこのひとときを大切に思わねばなりません・・・

 さて、ユーモアと申しましたのは、この武家を大きな顔をして訪れ、ご馳走になって帰っていく厚かましい夫婦を、この家の幼子が退散させるのに蜘蛛で脅かすとか、登場人物の名前を菜々が悪気なく聞き違えて覚えていくところなどです。

  腕は強い剣士が士官にやってきて腹を空かせて倒れていたので、菜々が団子をと申し出たら、一皿3本の団子を見る見る内に20皿平らげた壇浦五兵衛を、「だんご兵衛」

  質屋を営んでいて、客になめられないように髑髏模様(どくろもよう)の羽織を着ているお舟を「おほねさん」

  武家の子どもたちに学問を教えてくれる学者、椎上節斎(しいがみせっさい)を「死に神さん」

 という具合です。

 『螢草』 葉室 麟 著 双葉社 2012年12月23日発行

 よろしければ、どうぞ。

   ほかに、葉室麟さんは、こんな作品も書いておられます。

0008  広瀬淡窓(ひろせ たんそう)という実在した学者・詩人の生き方を小説で描いた作品です。

  漢文の授業で、淡窓の詩を学ばれた方もあるかもしれません。

 紫扉(さいひ)暁に出づれば 霜雪の如し

 君は川流を汲め 我は薪を拾わん

 広瀬淡窓と同時代に生きた大塩平八郎も、登場します。  

0006
  九州 筑後柳川十三万石の領主、立花宗茂(むねしげ)の 人としての信義を貫く生き方が描かれています。

  家康、伊達政宗なども登場し、真田丸での戦いなども描かれています。

 ペンネームとなっている「葉室」・・・この作品の中で、公家の名前として登場しているのを発見しました。

0009

 表紙にあるような、剣と剣の闘い・・・ 

  事件の鍵を握る百足と名乗る人物は、いったい誰なのか

 謎解きの要素も盛り込まれて、読み応えがあります。

 

 今日も、人や本、芸術、美しい光景などなどとよき出会いのあるすてきな日となりますように。

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