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2018年3月 7日 (水)

『とんでもない奴』 藤原正彦 著

0001『とんでもない奴』 

藤原正彦 著

新潮社

平成26年12月20日 発行

 「週刊新潮」に連載されている管見妄語(かんけんもうご)を収録して単行本にして発行されているシリーズの一冊です。

 著者の藤原正彦さんは、数学者で、しばらく前に『国家の品格』がベストセラーになりました。

 お父さんは、『八甲田山』などを書かれた新田次郎さん、お母さんは藤原ていさんです。

 藤原正彦さんの文章は、文化的、教養の高さ、見識の豊かさの裏付けがあり、ユーモアにあふれていて、ほどほどに(?!)自画自賛 ・・・ 本書は一つ一つの文章が3ページで収まっていて読みやすいです。

  この本の中の「跳躍よさらば」という文章に共感いたしました。高校時代の藤原さんは、走り幅跳びで5メートル50センチ、立ち幅跳びで2メートル50センチ跳べたそうです。  ハンマー投げの室伏選手のお父さんの講演を聴いたことがありますが、お父さんの室伏さんは立ち幅跳びで3メートル跳べたそうです。(私は、2メートルほどでした。)

 藤原さんは、テニスのチェンジコートの時、しばしばネットをひょいと跳び越えていたそうです。その高さ、およそ1メートル。ところが、50代のある日、靴のかかとがほんの少し、ネットの上部をかすり、もう少しでハードコートに体を叩きつけるところだったことにショックを受けたそうです。

  これ以来、ご自分の身体感覚が運動機能が絶頂期にあった高校サッカー部の頃のままであるという事実に気付き、いろいろのことが恐くなったそうです。2メートルほどの小川をカッコよく飛び越えようとしたところ、対岸の水際にボチャッと落ちて奥さんと山中間の女性達の前で恥をかいたとも書かれています。

  若いときの身体感覚と実際の体力・運動能力のギャップ・・・これに気づいていないと、年寄りの冷や水ということで済めばまだしも、思わぬ大怪我という事態を招きかねないのですね。  この本には、もっと視野を広げ、志を高く持つことに有用な文章があるように思うのですけれど、私にはこの章が印象に残りました。書かれていることに近い体験があるからだと思います。

 今日も、よい日となりますように。

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