『三国志 名臣列伝 後漢篇』
宮城谷昌光 著
文藝春秋 平成30年2月15日 第1刷
七人の名臣の生き方が描かれています。 印象に残った一つは、廬植ろしょく)という人物のところに書かれていた文章です。この人は身長が八尺二寸(約189センチ)もあり、声は、鐘のように大きかったそうです。
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かれはいかにも儒者らしく、政治とは、法でなく礼である という理念をつらぬいた。
たしかに法は、悪を罰し、刑をもちいて悪を抹殺する。しかしながら法は悪を未然にふせぐことも、悪を善にみちびくことも、できない。だが、礼はそれができるのである。
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考え方は色々ありましょうが、こんなふうに端的にずばっと本質に関わることを書く文体が、私には、おお、いいな、宮城谷さんは と思えるのです。
このような考えに基づく廬植の治めた地域は善政によってめずらしく平穏になった と書かれています。
この本には、自分の信念を鮮明にして生き、死をも従容として受け入れる人物七人がこうした文体で描かれています。よろしければ、どうぞ。
今日も、よい日となりますように。
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