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2018年8月23日 (木)

『地に滾る(たぎる)』

0002『地に滾る(たぎる)』

あさの あつこ 著

祥伝社

平成30年7月20日 

初版 第1刷 発行

  あさのあつこさんの作品では少年野球を描いた『バッテリー』が名高いでしょうか。

  時代小説をお書きになっていることは図書館でこの本を見かけて知りました。

  主人公 伊吹藤士郎は、まだ少年です。清らかな魂の持ち主です。

  一緒に行動する異母兄弟、柘植左京は剣の腕の立つ、しかしニヒルな感じの少年です。

 こんな会話が印象に残りました。

   ◇    □    ○   ※   ☆

  ある藩邸に入ろうとした二人は、露骨に袖の下を要求され、何とか門を通してもらいます。 その後の会話です。

左京 「藩邸の規律が弛緩している証でしょう」

藤士郎 「どこの藩でもおなじなのか」

左京「そこまでは、わかりかねます。ただ、今の世の中を回しているのは、刀ではなく金です。戦のない太平の世では、武士は墜(お)ちていくしかないのかもしれません。」

 墜ちて、どこに行くのだろう。考え、藤士郎は頭を振った。墜ちたままでいいわけがない。緩み切っていいわけがない。

弛緩しているのなら引き締めねばならないし、堕落しているのなら正さねばならない。 ・・・

藤士郎「でなければ政(まつりごと)が成り立たなくなる」

左京「政は生魚のようなものらしいですよ」

「生魚? どういう意味だ」

「料理人の腕次第でまるで味が変わってくるし、すぐに腐る。腐れば悪臭芬々(ふんぷん)としてどうにもならなくなる」

    ◇    □    ○   ※   ☆

 読んでいて、ああ、今の世の政治の世界に、鮮魚を鮮やかに料理して清風を吹かせてくれる動きは起こらないものか ・・・そんなことを思いました。

 ところで、この物語、これからどうなるのだろう というところで終わっています。

 どうもシリーズになっていて、続編は『天を灼く(やく)』(祥伝社刊)のようです。その本の宣伝が巻末にありましたから。

 こんなキャッチフレーズが書かれています。

 止(や)まぬ雨はない。明けぬ夜もない。少年は、ただ明日をめざす。

  さて、図書館にあるものやら、まだないのやら。

  目についたら、読みたいと思います。 藤士郎たちのこれからがどうなるのか分からないと 気持ちが落ち着きませんから。

  今日も、良い日となりますように。

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