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2018年10月22日 (月)

『クマにあったらどうするか』

Kuma『クマにあったらどうするか』

姉崎  等 著

ちくま文庫

   時々、このブログに引用させていただいている関根一夫牧師のメールマガジン「いてくれて ありがとう」から印象にのこりましたので、引用・掲載いたします。

    まだ私自身はこの本を読んでいませんけれど、ぜひ、読みたいと思っています。

 自然との共生ということを学んでみたい思いに駆られましたから。

  ◇   □   ○  ※  ☆

【本 クマにあったらどうするか】

ヨーカ堂の本屋に嬉しそうに置かれていたこの本「クマにあったらどうするか」ーアイヌ民族最後の狩人 姉崎等ー(ちくま文庫)。その表紙のクマの親子のイラストを見ただけで購買意欲が掻き立てられ、さっさと買ってしまいました。
この本はアイヌ民族最後の狩人姉崎等さんと聞き手であり在野のアイヌ研究者でもあり映像作家でもある片山龍峯さんによるインタビュー形式のすぐれたクマ研究本です。お二人とも既に亡くなりました。

  日光や他の地域でも「クマに注意」の看板がたくさん置かれていますが、この本を読むとクマに対する認識が変わります。そして猟師ならではの山での注意、雪山での夜の過ごし方など、山好きの人には興味深い内容が満載です。
  クマは、凶暴性を持っている動物ではありますが、12歳から77歳まで65年にわたって狩人として生きてきた姉崎さんによるクマ観察によれば「クマはいたずらに人間を襲う動物ではない」というメッセージがずっとこの本には流れています。こちらに敵愾心がないことがわかればクマの方から逃げ道を探して去っていくというのです。
だから「クマと出会ったときには絶対にあわてて逃げないこと。クマの真正面に立って目をそらさない。」「恐怖心に打ち勝つ胆力次第」とのこと。

  でも、この本は単にどうしたらクマから逃げられるかという内容ではなく、狩人がクマに接し、クマを身近に見てきたことによるクマの習性、例えば、冬眠の巣穴から出てきた親子グマが一緒に木登りをしたり、子グマのためだけに雪の斜面に滑り台や階段を作り、尻滑りをさせて遊ばせるとか、冬眠中の「止め糞」についてとか、愛情をもってクマを見ている姉崎さんのクマへの慈愛を感じられて、心が温かくなるのです。

 そして、クマは人に遠慮しながら、里山に近く生息していること、人を自分よりも強い存在として認識していること、しかし、知恵があり人の裏をかいて身を守ることを知っていること、笹の原を音を立てずに歩けること、雪道を途中で足跡を消すために自分の足跡の上をきちんと歩いて戻れることなどなど。
あっという間に読み終わりました。
そしてしみじみ、人間が山に行って「美味しいものを食べ、入れ物をそのへんに捨ててくること」とか「入るべきでない時期に、入るべきでない地域にきのこ狩りに出かけクマと遭遇する」とか、どちらかといえば、問題は人間の側にあることが多いことに悲しみさえ感じました。

  クマにはクマの領域があり、人には人の領域があるわけで、それを侵さない勇気と存在を否定しない心が大切だなぁと痛切に感じました。
なれなれしくならない。でも、存在は否定しない。確実に的確な距離感を持つこと。それを破るのは、人間の側なのです。観光地でサルに餌をあげないようにとか、書かれていてもついついあげてしまうことでサルが駆除の対象になってしまうことはとても多いし、互いの距離感が壊れてしまう環境を人間の側が作り出してしまっているような気がしてなりません。
「これ以上近づいたらちょっと嫌だな」「ちょっと怖いな」という意識をもって接すること、それもケアの一つの形態です。

 それにしても「クマがわたしの師匠です」と言い切る姉崎さんのクマとの遭遇、クマとの戦い、クマへの愛情、それには感服します。
「クマ撃ちはクマの心を知らなければクマは獲れない」
クマを知り尽くし、自分がクマだったらどう感じるか、というクマから学ぶ姿勢、そこに大切な何かを感じました。
クマへの「いてくれてありがとう」いっぱいの本です。
この表紙の絵に出会えただけでも楽しい気分になる本です。

   ◇  □  ○   ※   ☆  

  高山市で牧師をしている兄は、帯広ですごしていた学生時代、夜中に物音に気づいて山小屋の戸(測量の補助のアルバイトか何かだったで北海道の山中にいたのだと思います)を開けたら、クマ・・・それもヒグマが目の前にいたので、ぱっと戸を閉めたるという体験をしたそうです。

 二人の妹のひとり・・・ 山登りの好きな妹は、幼いときに高山にゾウがやってきたとき、そのゾウの背中に乗って、そこへ伸ばしてくる鼻に餌を渡すという体験をいたしました。 直接、その鼻に餌を渡すのは控えて、ゾウのおでこにサツマイモか何かをおいて乗っていたのを、勇気があるなぁと感心して見ていた記憶があります (^J^)

 あなたにも、動物にまつわる何か忘れがたい体験がおありでしょうか。

 今日も、よい日となりますように。

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