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2018年11月26日 (月)

『湖底の城』 第九巻 

0004『湖底の城』 第九巻 

宮城谷昌光 著

講談社

2018年9月26日 第1刷発行

 月刊誌に連載され、ほぼ一年分が単行本として年に一回発行されてきた『湖底の城』 ・・・ 毎年、秋になると新しい巻が図書館の書架に姿を現すのを楽しみにしてきました。

 第九巻 ・・・ 私も九年がかりで読んできたことになります。

 前の巻までの展開を忘れてしまうので、時々まとめて借りてきて、読み直すというより、ほぼ忘れているのでとても新鮮に読み返す ということを繰り返してきました。

 ああ、その楽しみも今年で終わってしまいました。 ・・・ 物語は完結して、この九巻が最終巻となったからです。 

  この物語は、呉越春秋とありますように呉と越の長きにわたる戦いを、前半は、伍子胥(ごししょ)、後半は范蠡(はんれい)という人物の活躍を中心に描いています。

  最終巻ですから、その戦いもけりが付くのですが、そのことについて、こんな記述が心に残りました。

  呉王の夫差は、おのれの命令を最上位に置きそのために軍あるいは隊をあずかる将は、いちいち夫差の指示を仰がなければ動けなくなってしまった。そのため、軍全体は夫差に示される目的をみることはできても、目的より上にある志を失ってしまった。おそらく呉軍にあったのは兵術であり、以前、孫武が確立し伍子胥が受け継いでいた兵法ではない。

  いっぽう、越軍は甲(よろい)を着けない兵卒でさえも、長年呉にとらわれの身となって屈辱に耐えて戻ってきた国王、勾践の艱難辛苦をわがことのように感じ、ひとりひとりの復讐心が合わさって、天をも焦がす烈火のごとき勢いを生じていた。

  ◇     □     ○   ※   ☆

  よく知られている「臥薪嘗胆」、「呉越同舟」ということばも、呉と越の長い戦いのなかで生まれました。 そうしたことばが長編の文学の文脈に息づいている姿をみることも、読む愉しみの一つですね。

  これからも、この九巻をおりにふれて読み返す愉しみもあります。宮城谷昌光さん、すてきな作品をありがとうございます。

  長巻のフィナーレ、西施と范蠡の再会の場面もすてきだと思いました。

 今日も、よい日となりますように。

 

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