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2019年1月 9日 (水)

『群青 日本海軍の礎を築いた男』

0002『群青 日本海軍の礎を築いた男』

植松三十里

文藝春秋

2008年5月15日第1刷発行

  題名の『群青』は、この本の第1章、「出藍の誉れ」とつないで、つけられたようです。

 天下の俊秀の学ぶ学問所である昌平黌(しょうへいこう)の教師の中でも随一の頭脳と称された岩瀬忠震(いわせ ただなり)とその教え子である主人公、矢田堀景蔵とのやりとりにまず惹かれました。

 「出藍の誉れ」は、師を越える域に成長した弟子を誉める言葉のようだが、自分を越える弟子を育てた師こそ、偉いのではないか、と景蔵は考えを述べます。

 教師の岩瀬は、面白い解釈だと認めた上で次のように語ります。

    ◇   □   ○  ※  ☆

 「青は藍より出でて藍より青し」の後に「氷は水これを成して、しかも水より寒し」と続く。人は努力しだいで、持って生まれた資質よりも、優れたものに変わりうるというたとえだ。おまえたちもこれから、いくらでも変われるということを、忘れてはならない」 「しかし本来の意味にとらわれる必要はない。通説も疑ってかかるべきだ。ここは自分で考える場なのだ」

        ◇   □   ○  ※  ☆

  この本の結び近く、矢田堀の甥はこう言います。

 「叔父上が育てた青たちは、いわば群青ですね」

 「青の群れで群青か・・・」

◇   □   ○  ※  ☆

  本書には、徳川慶喜 勝海舟 榎本武揚 なども登場していますが、著者 植松三十里さんは、 歴史の表に華々しく登場はしなかったけれど地道に、誠実に生きて歴史を支えた人物を描くことに取り組んでおられるからこそ、矢田堀景蔵が主人公となって描かれています。

  今日も、よい日となりますように。

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