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2019年3月16日 (土)

アリが妨害にもめげず巣に戻る力 『完訳 ファーブル昆虫記』から

0004 今日の内容は『完訳 ファーブル昆虫記』 第2巻上 からです。

2. アカサムライアリがクロヤマアリを狩りに出かけるときに往路も復路も必ず 同じ道を通る・・・それを可能にしているのは何だろう。

 これについては、アリも大迷惑に思うほど、ファーブルさんはいろいろな実験を仕掛けています。

・箒で掃いたり、水を流したりして往路の匂いを遮断する ・・・迷わない

※丈夫な箒で往路の道を 1メートルぐらいの幅で横にはいた。しかも、そうしたところを四箇所設ける、という念の入れ方です。

・ハッカを撒く ・・・ 別の匂いにも混乱しない

・新聞紙を置いたり黄色い砂を撒いたりしてみる ・・・ 障害物は問題ではない

上記の場合、アカサムライアリは困惑しながらも、しばらく動き回って 往路を見つけ出し、巣に帰って行ったそうです。

 この根気のよい実験には、ファーブルさんの孫娘、幼いけれど時間に余裕のあるリュシーさん6歳が、「科学」という高貴なもののために役割を果たすことに誇りを感じて見張ってくれ、「赤が黒の家に入ったわ。早く来て。」と教えに来てくれました。

  こうした協力者を得て根気よく実験した結果、ファーブルさんの出した結論は、アカサムライアリは非常に近眼だけれども、ファーブルさんによって景色の一変した地帯を何度も何度も行き来して、ついにはるかかなたに見なれた場所を見出すことによって巣に帰る・・・視覚と記憶がそれを成し遂げさせるというものでした。

   ◇    □    ○   ※   ☆

 その後の研究によって、現在ではアリの帰巣は、ファーブルの時代には分かっていなかった匂いの道標物質フェロモンが、微量だけれども強力で、水を流したり、箒ではいても道標の匂いを消し切れないことが明らかになったそうです。

 そのフェロモンの強力さは、0.33グラムで地球を一周するアリの道しるべができるといわれるほどだとのこと。

 ファーブルさんは、そうした学問の成果を見聞することが出来たら、自分の実験とそこから導き出した結論に落胆するでしょうか。

 いえいえ、決してそうではないと思います。昆虫の世界の真実がより明らかにされていることを喜び、そしてなお、自分が追究したい課題をたくさん持って新しい科学の知見も活かしながらその課題の解決に元気に邁進なさることでしょう。

 今日も、良い日となりますように。

 明日は日曜日。キリスト教会の礼拝にお出かけください。

 

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