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2019年9月 3日 (火)

『続 物語風土記』 阿刀田 高 著

0002_20190828154201 『続 ものがたり風土記』

阿刀田 高(あとうだ だかし) 著

集英社 2001年6月30日 第1刷発行

 著者、阿刀田 高さんは、1935年 東京生まれ、早稲田大学仏文科を卒業し、国立国会図書館の司書を経て作家になられた方です。

 この本は、全国の文学記念館などを巡るだけでなく、訪れたところの風土、伝説、昔話、その地に関わる文学作品、その作者などのことにも詳しく触れ、単に博学というだけでなく民俗学的な考察、ストーリーを紡ぐ技法など、豊かに満ち満ちています。 ユーモアのある方でもあります。

 たとえば、第10章 光り輝くもの 北海道3のところにこんな記述があります

 二風谷(にぶたに)アイヌ文化博物館

 木彫の器具が並んでいるところのボードの説明が紹介されています

 〝男にとって大切なことは刃物を巧みに使えるようになることだった。そうでなければ猟に必要な弓や矢や罠をしっかり作れないからだ。木彫りが上手だということは狩りがうまく食べ物に困らずに暮らしていける男だということを示すだから、年ごろの男は好きな人ができると腕によりをかけて彫刻をし、お目あての娘に贈る。相手がそれを身につけて使ったら、私も、というサインなんだよ〟

 ここで、旅の同行者・市さんは阿刀田さんを「先生は駄目ですね」と声をかけます。阿刀田さんとは古い知人で、阿刀田さんが不器用なことをよく知っているからだそうです。 不器用だから木彫も下手 ⇒ 嫁のきてがない という からかいなのですね。

 第八章 海峡を越えて 北海道1 では、水上勉さんの『飢餓海峡』についての考察もなされています。

 この本の終わりに このように書かれています。

 ◇   □   ○   ※   ☆

 ストーリーが小説のボディであるとすれば。モチーフは小説のマインドだ。体と心である。・・・私の〈ものがたり風土記〉(正続)は風土とストーリー、風土とモチーフ、それぞれの関わりを、実際の旅の中で捜してみよう、という試みであった。覚悟はしていたが、厄介な仕事である。・・・・

 よろしければ、図書館などを活用してお読みください。

 落語の落ち の十二パターン とか 清少納言の墓、 源義経とハンニバルの類似しているところ などが書かれていて、学びになりました。 続編から読みましたので、今度、正編を読む予定でいます。

 今日も、良い日となりますように。

 

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