宮城谷昌光さんの作品から
今年の夏は、外に出ないほうが健康を守るのによいと感じる暑さが続いたので、読書の夏 という感がありました。友人は、冬ごもりという言葉から、「夏ごもり」という名言を生み出しました。 うーむ、なるほど。
ムーミン谷の住民は冬眠の習慣はあったのですけれど、気候の変化は夏眠ならぬ読書の夏を促進したかもしれませんね。
宮城谷昌光さんの『孟嘗君』を読み返していて、第5巻の終わり近くのこんな言葉が印象に残りました。孟嘗君が家臣の一人に述懐している言葉です。
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・・・人が生きることはたいへんなことだ。そのたいへんさがわかって生きることは貴い。 人のいのちは、すでにあるものを守ってゆくというようなものではない。日々つくってゆくものだ。今日つくったいのちも明日にはこわれる。それゆえ、いのちは日々生まれるものであろう。 今日よりましな自分を明日に画(か)いて今日を生きる。それしかあるまい。
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庭に、野牡丹の花が咲き継いでいます。一日花(いちにちばな)なのですが、まるでリレーの走者がバトンを引き継ぐように炎天下で毎日咲き続けてくれました・・・宮城谷さんの上記の言葉と思い合わせて、庭を眺めつつそんな感慨にふけっています。
今日も、よい日となりますように。
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