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2019年12月 3日 (火)

『ティンパニスト かく語りき』 ー 〝叩き上げ〟オーケストラ人生 ー

0002_20191202085401 『ティンパニスト かく語りき』 -〝叩き上げ〟オーケストラ人生 ー

近藤高顯(こんどう たかあき)  著

学研プラス 2017年9月12日 第1刷発行

 ティンパニスト という言葉を初めて知りました。左の表紙にある楽器がティンパニーで、その演奏者をティンパニストと云うのですね。

 著者の近藤さんは、1953年 神戸市に生まれ、ベルリンフィルの首席ティンパニスト、フィーグラー教授に弟子入りし、1985年から日本フィルハーモニー交響楽団に入団。1989年から首席ティンパニストとして歩んでこられた方です。

 私は、岐阜大学管弦楽団、岐阜交響楽団でトランペットを(出来るだけ、皆さんの邪魔をしないように聞こえない音で)吹いていた時期があります。 

 岐阜市が交響詩「長良川」を團伊玖磨さんに作曲を依頼し、その團伊玖磨さんの指揮で初演したとき、この曲の中の詩を作詞された江間章子さん・・・名曲「夏の思い出」の作詞者・・・も来岐され、握手していただいたのは、貴重な思い出です。

 話を元に戻します。 その頃、プロのオーケストラで指揮者の次に給料が高いのは、打楽器奏者だと耳にしたことがあります。本当かどうか分かりません。その理由は、「もし、打楽器奏者がへそを曲げて、とんでもないところで打楽器を打ち鳴らせば、どんな名演も一発でぶち壊しに出来るから」とのことでした。 ← やっぱり、この話は眉つばものですね。

 この本、読み始めてみますと、とても面白いのです。 レコードを買って、アンケートを出したら、なんとカラヤン率いるベルリンフィルの来日コンサートに3万人の応募者の中の百人の一人に選ばれて聴きに行くことができたこと そして、そのことが、ティンパニストになる道を開いたのだそうですから、人生、何がきっかけになるかは本当に面白いものだと引き込まれてしまいました。

 ベルリンで学んでいた時期に出会ったベルリンフィルのティンパニストで 他の打楽器・・・シンバルなど も担当していた団員が、ブルックナーの交響曲の中で、一回か、二回のシンバルを鳴らすために、本番の二週間ほど前から生活のペースも精神状態も、すべてをその交響曲の中の一瞬のイメージへと高めていくと語ってくれたこと ある演奏会で、そこはいたるまでの音楽の出来映えがあまりにも素晴らしくていつシンバルを持ってどのようにあの一打を放ったのか、まったく覚えていない ということがあったこと

 そして、上記とは別の打楽器奏者が、トライアングルを担当していた曲で演奏に臨んでいた本番で、なんとシンバル担当者が演奏中に失神してしまったのに気付いて、彼を救急搬送させ、間一髪でステージに戻って、見事なシンバルの一打を鳴らしたことなど この本でなくては読めないスリリングな内輪話です。

 ティンパニーに張る皮は牛か山羊らしいのですが、牛革は「豊かで艶のある音」、山羊革は音圧が強く「ワイルドで太鼓らしい響き」、ティンパニーを叩くばち、マレットもフェルトの厚さなどでずいぶん音色が異なるそうです。

 今日も、良い日となりますように。

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