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2020年2月17日 (月)

『つばき』 山本一力

0003_20200214193701 『つばき』

山本一力 著

光文社 2014年7月20日 初版1刷発行

 江戸・・・ 深川の一膳飯屋 だいこんの女主人 つばき が主人公です。

 商いの根っこともいえる仕入れを初めて雇い人のおてるに任せた朝、落ち着かない様子のつばきに大工である父親、安治が言って聞かせる場面に味わいが感じられました。父親の言葉をつないで 書かせていただきます。

  ◇   □    ○   ※    ☆

 上に立つ者には、任せる度量がいるぜ 

おれの棟梁は肝のぶっとい男だからよ。おめえも知っての通り、こんなおれにも仕事場を任せてくれてるのよ 

おれが一人前の顔をしてお施主の旦那型と話ができるのも、つまりは棟梁がおれに普請場の差配を預けてくれているからだ

だがよう、、つばき。おれは大工の腕はほどほどにたつが、いまも棟梁じゃねえ。おれには棟梁になれるだけの器量がねえんだ

おれがおれがと、つい自分のノコギリやらカンナやらが仲間の前に出ちまうんだ

棟梁はおれに普請場を預けてくれている。しっかり進んでいる限りは、一切口出しをしねえ

だが任せきりにはしてねえ  人前ではおれを褒めてくれるが、しくじりを見つけたときには陰に呼び出されてよう。人目のねえところで、とことん絞られるんだ

この芸当ができてこそ、初めて棟梁だとおれは思ってる。おめえには充分に棟梁になる度量が備わってるからよう

しっかり任せてみろ。二度までは、おてるがしくじっても目くじらをたてるなと娘を戒めた。

人が使えねえことには、だいこんは大きくはならねえ。おてるに仕入れを任せる気になったのは、おめえに棟梁の器量が備わっていればこそだぜ、つばき

 安治に諭されたことで、つばきは一歩も二歩も前に進むことができた。

   ◇     □    ○    ※    ☆

 引用が長くなりました。 胸が熱くなりながら 物語を読み進んだ私でした。

 よろしければ、どうぞ。

 今日も、良い日となりますように。

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