« 春を呼ぶ小さな花たち | トップページ | 生身の人間を大切に ー 文明の恩恵は受けながらも ー »

2020年2月10日 (月)

山本一力さん 江戸を舞台の小説

0004_20200208094101  宇江佐真理さんが江戸の庶民の生活を描いた著作をよく読んでいたのですけれど、天に召されて新作が読めなくなったので、ほかの方の作品をいくつか読ませていただきました。

 そんな中で、山本一力さんの本が図書館にたくさん並んでいたので借りてきて2冊読みました。山本さんは1948年高知県生まれとのことで、1946年生まれの私とほぼ同年代の方です。

『べんけい飛脚』

新潮社 2014年10月20日 発行

 署名を見て、はて、弁慶は怪力でいろいろな武術に秀でていたと思っていたけれど、足も速かったのだろうか と思い、読んでみました。 この書名の意味が分かったのは、読み終わりの近くでした。

 百万石の禄高を誇る加賀藩の上屋敷は敷地が百万石を越えていたとのこと。その敷地内には多いときには4千人近くで参勤交代のときに偉容を示した加賀藩が、その行列の訓練をするための大きな広場が設けられていたとあり、驚きました。

 その広場は、たびたび大火の起きた江戸で類焼、延焼を防ぐためのスペースという役割も果たしていたそうです。

 藩主を乗せる駕籠が万一襲われたときには迅速に長距離を移動できるようにと、駕籠かきの鍛錬をする起伏のあるコースが設けられていたことも出てきて、飽きることがありません。

 筋立てもしっかりしていて、結末を楽しみにしながら読み進むことが出来ました。

 

 

0006_20200208100101 『辰巳八景』

新潮社 2005年4月20日 発行

 ムーミンパパには縁の無い世界のことですが「辰巳芸者」の説明や、三味線の糸の値段などもこの本には詳しく登場して来ます。

 辰巳とは、江戸の東南(辰巳の方角)の深川一帯を指す言葉で、舞子・芸妓が京の華なら、辰巳芸者は江戸の粋(いき)の象徴といわれたとのこと。羽織姿が特徴的だったことから「羽織芸者」とも呼ばれたそうです。

 この本は、深川で生活する人たちが主人公の短編が、書名の通り、八編収められています。

「永大寺の晩鐘」、「石場の暮雪」などが 控えめな恋心が描かれていて、心地よい読後感が残りました。

 ほかの短編も、味わいがいいのですけれど、大火や大水で登場人物が亡くなることが多いような気がして、確かに人生にはそういうはかない場面も多いとは思いますけれど、出来るだけそういうことにならない山本一力さんの本を選んで読もうと思っています。江戸時代の生活と人情が丁寧に描かれているところには惹かれますから。

 今日も、良い日となりますように。

 

 

 

 

 

 

 

|

« 春を呼ぶ小さな花たち | トップページ | 生身の人間を大切に ー 文明の恩恵は受けながらも ー »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« 春を呼ぶ小さな花たち | トップページ | 生身の人間を大切に ー 文明の恩恵は受けながらも ー »