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2020年6月 6日 (土)

『飛騨の女』

0002_20200605194401  『飛騨の女』

 竹内勇太郎 著

 東宝出版社 昭和49年8月30日 第1刷

       昭和50年2月15日 第2刷

 飛騨出身の私は本の題名に惹かれてこの本を入手したのだと思います。 けれど、多分何十年という間、手に取って開くことがありませんでした。

 この本の身になって考えると、たとえば、期待して舞踏会に出かけたのに、「シャル ウイダンス」の声がかからない 壁の花 の立場で、数十年を耐えていたということになりましょうか。

   図書館の休館が続いていましたので、我が家の書棚の本たちに「お待たせしました。長年、ごめんなさい」という思いで、手を伸ばし、読み始めました。

 ウウッ ・・・  冒頭に「北飛騨は雪深い地方である」とあり、ぐんぐんと引き込まれました。明治37年の4月のはじめのことである。北飛騨の角川から高山に通じる飛騨街道は、まだ凍った根雪に覆われていた」 ・・・うん、うん、たしか角川はつのがわと読むんだったな・・と すっと入っていけます。

 主人公は、河合村出身の長瀬ゆう ・・・高山の木賃宿で働くために雪道を元気に歩いているのでした。

 印象に残った言葉を引用させていただきます。 ゆうに魅せられた男性の一人がゆうに語る言葉です。主人公 ゆう の 在り方を 端的に示している と思ったものですから。

  ◇     □     ○     ※      ☆

 「俺はな、人間というやつは、生きるためには汚れなけりゃ駄目だと思ってたよ。薄ぎたなく、腹黒く立ち廻らなけりゃ生きられないと思ってたんだ・・・・・・だけど、ゆうさんはきれいに堂々と生きている」

  ◇     □     ○     ※    ☆

 私には読み応えがあり、幕末期に郡上八幡の青山藩が官軍方に付くか、徳川方に付くかの意見が分かれたときに 策を凝らして脱藩組で編成された凌霜隊(りょうそうたい)のことなども描かれています。よろしければ、どうぞ。

 30度を越える日が続きそうです。 どうぞ、健康・体調を保ちながら、おすごしくださいますように。

 写真は、庭の「京鹿の子」です。

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 作者の竹内勇太郎さんは、だいぶん以前のテレビの人気番組、「三匹の侍」などの脚本、そして歴史物の著作などをたくさん書かれ、大活躍なさったかたです。

 

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