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2020年8月12日 (水)

海堂 尊(かいどう たける)さん の世界

 お医者さんで作家 ・・・ あの森鴎外さんがそうでしたね。 そういえば手塚治虫さんも医学博士で、そして『鉄腕アトム』『ブラックジャック』などを世に送り出されたのでした。

 海堂尊さんの世界は壮大です。ある作品に医学部の学生で剣道に打ち込んでいた人物が、その後の作品では研修医となり、そして大きな事故があってたくさんの負傷者を受け入れる事態にたまたま遭遇したときに八面六臂の大活躍をしてその後の作品でさらに成長した姿が描かれている・・・その彼の同期生や指導医もそれぞれいろいろな場面で活躍しているので海堂尊さんの繰り広げる小説の世界は、年月からいっても、登場する人物の多さや行き交う世界の国々、都市からいっても、とても大きな規模となっています。

0004_20200810101601  今週読んだ数冊から2冊を紹介させていただきます。

『スリジェセンター』

講談社 2012年10月24日 第1刷発行

 スリジェ というのは、フランス語で 桜 のことだそうです。

 天才的な心臓手術医 天城雪彦医師 その卓越した力量に心酔する外科医 世良雅志・・・モンテカルロのカジノなども舞台となっています。

 お金と売名行為に重きを置いているように見えていた人物が心から患者の命を大切にし、ベストを尽くす人物であったことが極限状況の中で明らかになる ・・・そんな場面が印象に残りました。 この本の前に『ブラック・ペアン』という本を読んでいただくと ちょうどよい続き具合になると思います。 そしてこの本の後に 先日ブログに登場した『ナニワ・モンスター』、そして次に

 『スカラムーシュ・ムーン』

 新潮社 2015年7月30日発行 という順で、ほぼいいのだと思います。0006_20200810104701

 この本では、細菌とウイルスの違い、抗生物質とワクチンの違い

 鳥インフルエンザの予防のためにあらかじめ鶏にワクチンを与えることの是非 などが物語の展開の中で 読者に理解できるようになっています。 小説の展開は 彦根という医師の頭脳の明晰さを起点としていて、驚くばかりです。

 ワクチンの生成のために、1日10万個の有精卵が注文される ・・・ 若い男女の恋愛の機微なども織り交ぜられていて400ページ余の本ですけれど、スピード感を味わいながら読み進めることができました。

 スカラムーシュというのは ピエロとか、大風呂敷を広げるほら吹きというような意味があるようです。

 大学院生を指導している野坂という教授の出番は少ないのですが、決め台詞を二つ発しています。

・背負うことができない人のところには重荷はこないものなのです。

・道は、進もうと思う人の前にだけ拓けるのです。

 この野坂教授の言葉の欠点は、あまりにも自然で、後で思い出せなくなってしまうことだそうです。 私も、どこに書いてあったかなぁと見つけるためにしばらく読み返しました(^J^)

 よろしければ、どうぞ。

 

 

 

 

 

 

 

 

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