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2020年10月20日 (火)

辻村深月さんの本

 作家 辻村深月(つじむら みづき)さんのことも、若い読書家から教えてもらいました。辻村さんは1980年2月29日生まれ、現在41歳でしょうか。2011年に『ツナグ』で、第32回吉川英治文学新人賞を受賞されたとのこと。 その『ツナグ』と続編にあたると思われる『ツナグ 想い人の心得』を図書館で借りてきました。

0003_20201016144401  『ツナグ』

新潮社 2010年10月30日 発行

五つの章からなっています。

アイドルの心得

長男の心得

親友の心得

待ち人の心得

使者の心得

 「使者」は第一章から登場するのですが、この小説では使者(ツナグ)と読むことになっていて、それが書名になっています。

 この世に生きている人が、既に亡くなっている人にどうしても話したいこと・聞きたいことが会って会いたいと願っているとき、その願いを亡くなっている人に伝えて、亡くなっている人が会うことに同意したら面会できるように仲立ちをするのが使者です。

 これは、普通にはできないことですから、いくつかの動かせないルールがあり、よほどの縁がないと実現しません。

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 『ツナグ 想い人の心得』

新潮社 2019年10月20日 発行

プロポーズの心得

歴史研究の心得

母の心得

一人娘の心得

想い人の心得

 10年ほどの年数を経て発行されたこの2冊を読んで、一番印象に残ったのは、「一人娘の心得」の章でした。

 鶏野工房の主人が急に亡くなり、残された一人娘はその工房をゆくゆくは引き継ぐ後継者として父は認めてくれていたのかどうか、分からないままになってしまいました。

 生きている人と亡くなった人とのあいだをツナグ青年は、その一人娘に亡くなった父親に会いたいかと尋ねるかどうかで逡巡します。

 結局、それを青年が言い出す前に、娘はこう言います。

 「自分が父に見てもらった作品を手に取ってみると、すべて父の手が入っています。そして、それがどれもとてもいい。私では絶対に考えつかない発想で、すべてが使いやすく、デザインも格段によくなっているんです」

「だから・・・私、諦めません」・・・ 勉強する間 何年かは休まざるを得ない けれど 絶対にまた私が開けます

 ツナグ青年は、一人娘の清々しい声を聞いて、自分の完敗を悟ります。

 亡くなった工房の主人の言葉は、一人娘の中にも、工房の中にもたくさん残っている。死者の声を聞く方法が直接会うこと一つだと思い込むなんて、思い上がりもいいところだった。

     ◇      ◇      ◇      ◇

 白紙の状態で読んでいただくのが一番だと思いますので、私のこのブログは勇み足です。 

 ただ、この本たちについては オカルトっぽい小説なんだな と 先入観を提供してしまう段階で終わってはいけないという気持ちが働いて、こうなりました。

 もちろん、お読みになるかどうか、ここからの選択はご自由になさってください。 

 今日も、良い日となりますように

 

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