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2020年11月29日 (日)

『職業としての小説家』 その2

 『職業としての小説家』のなかで、村上春樹さんがカフカについて書いておられること

 あなたが希有な天才なんかではなく、自分の手持ちの才能を、時間をかけて少しでも高めていきたい、力強いものにしていきたいと希望しておられるなら・・・意志をできるだけ強固なものにしておくこと。そして同時にまた、その意志の本拠地である身体もできるだけ健康に、できるだけ頑丈に、できるだけ支障のない状態に整備し、保っておくことーそれはとりもなおさず、あなたの生き方そのもののクオリテイーを総合的に、バランス良く上に押し上げていくことにも繋がってきます。

 フランツ・カフカは40歳の若さで肺結核で亡くなりました。残された作品のイメージからするといかにもナーバスで、肉体的には弱々しい印象があるのですが、身体の手入れには意外に真剣に気を遣っていたようです。菜食を徹底し、夏にはモルダウ川で1日1マイル(1600メートル)を泳ぎ、日々時間をかけて体操をやっていたそうです。・・・プラハの保険局で公務員の仕事をしながら、職務の間にこつこつと小説を書いていました。かなり有能な、真面目な官吏であったようで、カフカが休むと、局の仕事が滞ったという話です。

   ◇     ◇     ◇     ◇    ◇

 ドストエフスキー  夏目漱石

 考えてみると僕の好きな小説には、興味深い脇役が数多く登場する小説が多いようです。・・・まずぱっと頭に浮かぶのはドストエフスキーの『悪霊』・・・なにしろ変てこな脇役がいっぱい出てきます。「なんでこんなやつが」と思うようなカラフルな人々、けったいなやつらが次々に姿を見せます。ドストエフスキーという人はきっとものすごく巨大な脳内キャビネットをもっていたのしょう。

日本の小説でいえば、夏目漱石の小説に出てくる人々も実に多彩で、魅力的です。ほんのちょっとしか顔を出さないキャラクターでも、生き生きとして独特の存在感があります。・・・いつも感心するのは「ここでこういう人物が必要だから、いちおう出しておきます」みたいな間に合わせの登場人物がほとんど一人も出てこないことです。頭で作った小説じゃない。しっかりと体感のある小説です。・・・文章の一つ一つに身銭が切られています。そういう小説って、読んでいていちいち信用できてしまうところがあります。安心して読めます。

   ◇    ◇     ◇     ◇

 この本を発行なさった2015年ころ、村上春樹さんの小説は、50カ国ほどのこと場に翻訳されて読まれるようになっていたとのこと。2020年では、もっと増えているかも知れませんね。

 小澤征爾さんと対談した書も出ていて、小説にいろいろな音楽を登場させている村上さん ・・・オリジナリティの定義にビートルズについて書かれた「ニューヨークタイムズ」(2014年2月2日)を引用しています。

「新鮮で、エネルギーに満ちて、そして間違いなくその人自身のものである」

 この本の中から何カ所かをつまみ食いのように紹介させていただきました。おつきあいいただき、ありがとうございます。

0006_20201125214501  今日も、良い日となりますように。 写真は、美濃市のうだつのある町並みで見かけた和紙のあんどんなどです。やわらかい光がすてきでした。

 

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2020年11月28日 (土)

『職業としての小説家』 その1

0004_20201124135501 『職業としての小説家』

 村上春樹 著

スイッチ・パブリッシング 2015年9月17日 第1刷発行

 村上春樹さんは1949年生まれ。作家・翻訳家。

村上春樹さんのことは、ノーベル文学賞を今年こそ受賞するのではないか と何年にもわたってその時期が来ると話題になるほどのかたですから、私が改めて紹介することはないと思います。

 この本は、執筆・発行なさるまでのおよそ35年間の小説家生活を土台に、とても丁寧に12章にわたってご自分の考えを綴っておられます。その35年を振り返って、初心のころの思いがご自分でも驚くほど変遷していないそうです。

小説を本格的に書き始めるまでは、東京の国分寺の駅の南口で、ジャズのレコードをかけてコーヒー・お酒・料理を出す店を経営なさっていました。その後、千駄ヶ谷に移転され、経営も軌道に載っていたそうですが、二足のわらじは履かないと決めて、小説家一本に絞られました。

 好きなことなら、文句を言わずに一生懸命やるというのが取り柄だそうです。身体を大事になさっていて、ほぼ毎日1時間走ること、そして年に1度はフルマラソン・レースを走り、トライアスロンに出場することを積み重ねてこられました。

 このかたは、出版社と契約して本を書き始めるということをなさらないのだそうです。

 ご自分の心が、書きたいという思いになったときに書き始め、書くことを楽しみ、出来上がった原稿をじっくりと読み返し、細部までにわたって点検して書き直し・・・それをとんかち仕事と呼んでおられます。

   何度も読み返して響きを確かめたり、言葉の順番を入れ替えたり、ささいな表現を変更したり、、そういう「とんかち仕事」が僕は根っから好きなのです。・・・いつまでやっていてもちっとも飽きません。 (153ページ)

 必ずしも村上春樹さんの小説に心酔している私ではありませんが、文章を書くこと・言葉についての真摯な姿勢には学ぶところのたくさんある本でした。

 一番、響いてきたのは、最初のほう(37ページ)に書かれているこの文章です。

 どれだけそこに正しいスローガンがあり、美しいメッセージがあっても、その正しさや美しさを支えきるだけの魂の力が、モラルの力がなければ、すべては空虚な言葉の羅列に過ぎない。・・・言葉には確かな力がある。しかし、その力は正しいものでなくてはならない。少なくとも公正なものでなくてはならない。言葉が一人歩きをしてしまってはならない。

 よろしければ、どうぞ。 明日、、その2として村上春樹さんが漱石、カフカについて記しておられることを書かせていただきます。

 今日も、良い日となりますように。

 

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2020年11月27日 (金)

『フラミンゴボーイ』

0003_20201124131401 『フラミンゴボーイ』

マイケル・モーパーゴ  著

杉田七重  訳

 著者のマイケル・モーパーゴさんは、1943年イギリス生まれ。

 翻訳された杉田七重(すぎたななえ)さんは1963年東京都生まれ。小学校教師をなさった後に翻訳の世界にお入りになったとのこと。

 語り手となっているのはヴィンセント・モンタギュー  物語の入り口で、ヴィンセント・ヴァン・ゴッホの絵が登場いたします。

 物語の大半は、メリーゴーランドを組み立てて、それで生計を立てていたロマの一家と、フラミンゴがたくさんやってくる沼地近くで農業を営んでいる一家がナチスドイツの占領下でどう暮らしたかが中心となっています。

 題名のフラミンゴボーイは、傷ついたフラミンゴや動物と心を通わせることのできる自閉症のロレンゾにつけられた愛称です。

 深刻な状況ですけれど、次のような一節もあり、心に残りました。

 農家の貴重な働き手である農耕馬が片足を痛めていることが分かったとき、ロマの家族の馬車を引いているハニーに肩代わりをさせようと人々は考えました。

  ◇     ◇     ◇     ◇    ◇

 名案に思えたけれど、それからすぐ、ハニーには農耕馬になる気はこれっぽっちもないことがわかった。

火ぶくれを起こしそうな熱暑の中でも、たたきつける雨のなかでも、幌馬車ならハニーは引く。ハエがいくらたかろうが、道が穴ぼこだらけだろうと、耐えられる。

 でも、肥やしを積んだ荷車を畑に引いていくのは断じて拒否した。雄牛や馬やヒツジをよせ集めるのもやらない。そういう仕事をするのは、馬車馬の沽券に関わるといわんばかりだった。

 もともと気むずかしい馬で、一筋縄でいかないのは、パパもママも知っていた。けれどもまさかここまでがんこだとは夢にも思わなかった。

    ◇   ◇   ◇    ◇   ◇

 一頭の馬の性格について、ここまで書き綴った文学作品に出会ったのは、私としては初めてでしたので、引用させていただきました。

今日も、良い日となりますように。。

 

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2020年11月26日 (木)

『加害者家族バッシング 世間学から考える』

0004_20201121154101 『加害者家族バッシング』

佐藤直樹 著

現代書館 2010年4月20日 第1版 第1刷 発行

 佐藤直樹さんは、1951年仙台市生まれの現代評論家とのことです。 

 犯罪を起こしてしまった人の家族に寄せられる手紙(現代ではインターネットを利用してのメッセージが多い)・・・日本では、匿名で、「どういう育て方をしたんだ。責任をとれ」といった強い調子の非難がほとんどだとのこと。

 著者の調べた外国での加害者の母に届いた段ボール2箱分の手紙は、すべて励ましであったそうです。つらいでしょうけれど、こういうときこそ、刑務所にはできるだけ面会に行ってあげてください、というような具体的な内容の者もあったそうです。

 テレビ会社の記者が訪れ、「ここが犯人の自宅です。犯人には妻と小学生の子どもが居ました」と家をライトアップしてこうこうと照らしながら放送した例が紹介されています。

 加害者も、加害者家族も社会のケガレとみなされ、住むところも仕事も転々とせざるを得なくなるケースがおおく、空き家になった状態の住居が放火で焼き払われた実例も。

 世間に顔向けができない 死んでお詫びをいたします というところは追い込んでしまうことのない 社会を形成していく道は 険しいのですけれど、より成熟した社会へと歩んでいけるように 考えてまいりたいと思いました。

 加害者の家族の人権を守ってやる必要なんかない と、世間みんなが思ってしまい、自分たちの目の届かないところへいってしまえという気持ちをつのらせること その対局にあるのは 罪を憎んで人を憎まず という在り方ではないでしょうか。 大きな罪を犯した人を弁護する弁護士を 「なんであんな奴を弁護するんだ」と非難する声のほうが大きくなっては いけないと思います。 そんなことを考えさせられました。

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2020年11月25日 (水)

息の長い実り シシトウ

0022_20201124113501  8月から濃い緑色の実を結び続けてくれているシシトウ ・・・11月も健闘しています。

畑の中央に大きく育って、英姿と申しますか、勇姿と申しますか、本当に感謝です。0020_20201124113601

 私も こうしたエールを受けて、読書やピアノの練習に励んでいます。

 シシトウと並べるわけではありませんが、11月21日にNHKテレビで見た歌手の今井美樹さん・・・デビュー35周年ということですけれど、オーケストラと共に歌われた♪「プライド」などの3曲、本当にすてきでした。

 いつも前を向いて、成長し続け、実を結び続けておられることに感銘いたしました。

遠く、及ばずながら、かくありたいと思いました。

 今日も良い日となりますように。

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2020年11月24日 (火)

『走れメロス』とミシュナ  その2

 お待たせいたしました。昨日の続きです。

 二人の人が向かい合って、右手で相手の頬を叩こうとすると・・・相手の頬は左右どちらということになりますか。

 左の頬になりますね。「走れメロス」の本文では叩いたのは右頬となっていますから、そのことに気づいて生徒は「セリヌンティウスは左利きなのですか?」と尋ねたのです。告白いたします。授業者である私は、事前には気づいていませんでした。

 ここからは実際の授業に戻ります。

   ◇    ◇    ◇    ◇

・この場面を、信頼していた相手のことを三日間のうちに一瞬でも疑ったことを告白し合って、力一杯殴り合ってから抱擁し合った二人に感動して、どちらの頬かなど考えもしなかったのに文章に目をとめて質問したのはすごい。

・すごい。 ただし、セリヌンティウスは左利きだったかもしれないけれど、右手で相手の右頬を打つこともできる。・・・手のひらをかえして手の甲のほうで相手を打つ叩き方をすれば。 ということで、いわゆる「裏拳」という叩き方が 話題になる。

 ここで、授業終了のチャイムとなり、次の時間に結論は持ち越しとなりました。

  ◇    ◇    ◇    ◇

0007_20201122153701  授業者として どう決着するかを 必死に考えたとき、この本に出会いました。

曾野綾子さんのこの本に「ミシュナ」のことが書かれていたのです。

 右の手の甲で手首を利かせて強く相手の右頬を打つのは、奴隷を罰するような非常に大きな侮辱で、手のひらのやわらかい部分で相手を打ったときの倍額に相当する罰金で償うことが「ミシュナ」に明記されているというのです。公教育ですのでこの「ミシュナ」の全文や、曾野綾子さんの文章は直接には示しませんでした。

 授業では、信頼していた友人を一瞬でも疑ったことをメロスとセリヌンティウスは手の甲で力一杯叩き合い、そしてゆるしあって抱擁したのだ というほうが、左利きということよりも読みが深まる、そして暴君の心はそのこともあって人間への不信の思いが変わったのだという方向へ進みました。

 真剣に原文と向き合い、勇気を出して質問した生徒、そしてその生徒の質問を受けとめて一緒に考えたクラスの仲間たちから大きなことを学ばせてもらった忘れられない授業となりました。

 

『聖書を読むという快楽』から「ミシュナ」について書かれたところを下に紹介させていただきます。

 今日は、登山の好きな妹の誕生日です。おめでとう(^J^)

 良い日となりますように。


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2020年11月23日 (月)

『走れメロス』とミシュナ  その1

 先週の土曜日、青春時代以来のチームメイトのことを少し書きました。

 文学で友情というと、太宰治さんの名作『走れメロス』が浮かびます。中学2年生の国語の教科書に掲載されていた『走れメロス』の授業のことを書かせてください。 走りに走ったメロスが刑場に到着した場面です。

    ◇     ◇      ◇   ◇

「私だ、刑吏! 殺されるのは、私だ。メロスだ。彼を人質にした私は、ここにいる!」と、かすれた声で精一ぱいに叫びながら、ついに磔台に昇り、釣り上げられてゆく友の両足に、かじりついた。群衆は、どよめいた。あっぱれ。ゆるせ、と口々にわめいた。セリヌンティウスの縄は、ほどかれたのである。
「セリヌンティウス。」メロスは眼に涙を浮べて言った。「私を殴れ。ちから一ぱいに頬を殴れ。私は、途中で一度、悪い夢を見た。君がし私を殴ってくれなかったら、私は君と抱擁する資格さえ無いのだ。殴れ。」
 セリヌンティウスは、すべてを察した様子で首肯うなずき、刑場一ぱいに鳴り響くほど音高くメロスの右頬を殴った。殴ってから優しく微笑ほほえみ、
「メロス、私を殴れ。同じくらい音高く私の頬を殴れ。私はこの三日の間、たった一度だけ、ちらと君を疑った。生れて、はじめて君を疑った。君が私を殴ってくれなければ、私は君と抱擁できない。」
 メロスは腕にうなりをつけてセリヌンティウスの頬を殴った。
「ありがとう、友よ。」二人同時に言い、ひしと抱き合い、それから嬉し泣きにおいおい声を放って泣いた。

   ◇    ◇    ◇     ◇

 感動のクライマックス ・・・ ここで、一人の生徒がこんな質問をしたのです。

「メロスの右頬を殴ったとありますが、セリヌンティウスは左利きなのですか?」

 むむっ ・・・意表を突かれました。 (その授業で、私は国語教師でした!)

 その生徒はいつも真剣に文章を読みとろうとする努力家でした。

0020_20201123155101  二人の生徒に前に出てきてもらって、彼の質問の意図を確かめました。

 もし、よろしければ、読者の皆さんも、誰かと向き合って、もちろん本当に叩かなくていいですので、右手を出して相手の頬を叩く動作をしてみてください。 そして、今度は左手を出して相手の頬を叩こうとしてみてください。

 彼の質問の意味が分かっていただけましたでしょうか。

 長くなりますので、この続きは明日ということにさせていただきます。

 今日も、良い日となりますように。

  写真は勤労感謝の日の今日、収穫したシシトウです。8月以来、元気に育って、濃いめのグリーンの実をたくさん提供してくれています。 本当に感謝です。

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2020年11月22日 (日)

晴天に 誘われて 

0003_20201121184701  昨21日は、朝から明るい陽射し ・・・ 広がった青空に誘われて、小高い山にウオーキング。それほど高い山ではありませんが、足に負荷がかかり、歩数の割には結構いい運動になる感じです。

 いつかテレビで見た日本転倒予防協会の募集した川柳の入選作を思い出しました。

 上がらない 年金 小遣い 爪先が

 ムーミン谷の住民は冬眠に入る頃ですけれど、ムーミンパパは晴れた日にはできるだけウオーキングしたいと思います。

 木曽の御嶽山が遠望できました。左手には乗鞍も見えたのですけれど、鮮明でないところは、思いやりの想像力で補ってくださいね。 (ウウッ ほとんどこの写真では見えませんね。)

今日も、良い日となりますように。

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2020年11月21日 (土)

『十代に贈りたい 心の名短歌 100』

0002_20201118192301 『十代に贈りたい 心の名短歌 100』

田中章義(たなか あきよし) 著

PHP研究所 2014年12月17日 第1版第1刷 発行

 著者の田中章義さんは静岡市の生まれ。大学1年生のときに第36回角川短歌賞を受賞なさっているそうです。

 高校生の頃から短歌に親しんできた田中さんが愛する短歌を、若い世代にも味わってほしいという思いがこの本から熱く伝わってまいります。

 「1300年前の月が目の前に浮かび、鎌倉時代の波しぶきが、生き生きとふりかかってきます」 ・・・表紙裏の一節です。

 天の原 ふりさけ見れば 春日なる 三笠の山に出(いで)し月かも  阿倍仲麻呂

 大海の 磯もとどろに 寄する波 割れて砕けて 裂けて散るかも  源 実朝

 不尽の山 麗らかなれば わがこころ 朗らかになりて 眺め惚れて居る 北原白秋

 万国の  博覧会に もち出せば   一等賞を取らん 不尽山 正岡子規

 

 

 

 7章からなるこの本の第4章 青春の日の友の顔 の前書きが 心に残りました。

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   この前書きにある「十代のチームメイトは、一生のチームメイトにもなり得る」という言葉は、まさにその通りですね。

 私は、中学校・高校では野球やサッカーでなく、卓球部に入りました。

 中学校の卓球部に、たいていのスポーツを見事にこなす同窓生がいました。スキーも達者でした。彼と打ち合ったピンポン球のラリーの一球一球は、まさにこの前書きにある宇宙にたった一球なのだったのだと、今にして思います。

 日常生活で私がいたらない言動をしたときも、彼は非難することなく、いつも暖かく接してくれる存在であり続けてくれました。 今も、本当に一生のチームメイトです。

 あなたにも、こうしたかけがえのないご友人がおられるのではないでしょうか。

 若人に向けて書かれたこの本 ・・・ 昔の若人だった私にも響いてくる歌が何首もあります。

 若竹の伸びゆくごとく子ども等(ら)よ 真直(ますぐ)にのばせ 身をたましひを  若山牧水

よろしければ、どうぞ。 今日も良い日となりますように。

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2020年11月20日 (金)

『フィデル 出陣』 海堂 尊

0014_20201117202901 『フィデル 出陣』

海堂 尊 著

文藝春秋 2020年7月30日 第1刷発行

 タイトルにあるフィデルとは、キューバ前国家評議会議長フィデル・カストロのことです。

 この本は史実をもとにしたフィクションと書かれています。・・・2011年10月にキューバを訪れて以来この本を書くために著者が集めた書籍は1800冊を超えたそうです。

 巻末に「オバマ大統領、広島訪問」(「週刊文春」連載開始初回冒頭) 2018年2月15日号) ・「ローマ教皇フランシスコ、広島長崎訪問」(週刊文春」連載最終回末尾 2019年12月19日号)

 オバマ大統領は2016年5月27日、ヒロシマで献花し、「核保有国は『核兵器なき世界』を目指す勇気を持たなければならない」と述べた。

 感銘を多くの人に与えたけれど、カストロは、2016年8月13日、90歳の誕生日を前にオバマ大統領が何十万もの市民を殺戮したことを謝罪しなかったと非難し、高潔でないと党機関誌に寄稿した、と上記の文で海堂さんは書いておられます。

 そして「どんな大国も多くの人命を奪う権利はない。平和を守るため努力し続けなければならない」という毅然とした言葉は、日本の首相に発してもらいたかった・核大国アメリカ合衆国に忖度することなく核廃絶の騎手となるべきだと明言しておられます。

 国民に対して語った言葉を守り、結果的に守れなかった時には率直に謝罪したフィデロ・カストロという政治家の姿がまぶしく見える ・・・ その思いがこの本を執筆した著者の原動力であったことが伝わってまいりました。

 本文の中ではカストロが引用しているホセ・マルティという人の「死ぬべきときに死ぬのであれば、それは生きることだ」(381ページ)という言葉が印象に残りました。

 ※ 私は、情熱的な革命家に憧れるタイプではありません。海堂 尊さんも、前世紀半ばのキューバでは困難だったこと・・・今の日本国民が穏健に銃弾も発さずただ声を上げることで世の中を穏やかに変えようとしているやり方には日本人の一人として、誇らしく思うと記しておられます。 人類が叡智を結集して、平和の内に いろいろな問題を解決していくことができますように。

 平和をつくる者は幸いです。その人たちは神の子どもと呼ばれるからです。 山上の垂訓 マタイの福音書5章9節

 今日も、良い日となりますように。

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2020年11月19日 (木)

157年前のリンカーンの演説

0001_20201118191201  「人民の 人民による 人民のための 政治」・・・ 有名なリンカーンのゲティスバーグでの演説は1863年の11月19日で行われたのだそうです。 岐阜新聞2020年11月18日 朝刊「分水嶺」より この演説から157年・・・ 果たして、「人民の 人民による 人民のための政治」 の理念は、どれほど実現に向かって歩を進めることができたのでしょうか。

 いろいろ考えさせられますね。

 

 17日夕方のウオーキングで、お茶の木の花を見かけました。 0001_20201118191601

ここしばらく20度を越える暖かい時間帯がありますね。

どうぞ、よい時間をおすごしくださいますように。

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2020年11月18日 (水)

秋グミ

0020_20201117191701  「グミが実をつけたので、見に来てね」 ・・・友人が誘ってくれたので、軽運動を兼ねて行ってまいりました。といっても、往復2000歩くらいのところですけれど。

 今、実をつけているのは、秋グミなのだそうです。 びっしりと・・・。一枝いただいてきました。

 今は、何種類ものお菓子のグミがありますけれど、本物のグミを味わうのは、ずいぶん久しぶりでした。

 今週は、気温の上がる日が戻ってくるそうで、果実・野菜にとっては大きくなるのにゆとりが持てるのでしょうか・・・よく分かりませんけれど、そういうことだといいなと思います。

 実のなる木や花、野菜を育てるかたは すてきだなと思います。 そうしたことを通して、地球と会話をしながら歩んでおられるように感じます。

 大地は天と向き合っていますから、植物を育てるかたは、天地と正対しておられるのだと思います。

 今日も、良い日となりますように。

 

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2020年11月17日 (火)

『作家ソノミの甘くない生活』

0015_20201113085601 『作家ソノミの甘くない生活』

群 ようこ  著

毎日新聞社 2012年11月25日 発行

 小説ですから、作家ソノミさんは、あくまでも作品中の人物です。けれど、実際の作家、群 ようこさんの実生活が どれほどかは反映されているのだろうと勝手に思いながら読み進みました。

 80代で一人暮らしをしている母親の住環境を新しく整えることにして、その費用を振り込みに行った銀行で丁寧すぎるアシストをされ、ソノミさんは振り込め詐欺にあっているのではないかという目で見られる年代に自分が到達していることを感じ、気分が落ち込みます。

 でも、マンションで犬を抱えてエレベーターに乗ってきた人のために目的の階のボタンをおしてあげ、相手の人が犬に「親切なお姉さんに会えてよかったね」といっているのを聞き、気分は爽やかになります。

 母はダンスのサークルで若い人に優しくしてもらいながら、発表会のドレスのことで電話をかけてきて、執筆に打ち込んでいるソノミさんは、ペースが上がっていた仕事をたびたび中断されることになります。

 口は達者な母親ですが、住み慣れている環境で転んでけがをしたりもします。ソノミさんは、担当者が変わって、あまりにも細かな校正をしてくるのにも対応しなければなりません。

 インターネットの発達などによって、出版業界の勢いも以前ほどではなくなってきます。 でも、ソノミさんは、自分の意に染まない仕事は受けないで、作家の仕事を続けます。 読み終わって、何だか、この先どうなるのだろうと、気にかかる作品でした。

 それはともかく、今日も、良い日となりますように。

 

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2020年11月16日 (月)

メダカの性格

0002_20201115172701  昨年6月に友人からいただいたメダカ・・・2匹が元気に生き抜いています。飼い主の私たちも、健康で生き抜いていますので、ご安心ください。 

 ムーミンパパの場合は、ムーミン谷の住人たちのように冬眠はしないものの、時々生き抜くというより、息ぬいています。(そんなこと言わなくても察しはついとるわい) という声がしたような!!

 しばらく晴天が続いていますので、雨樋からの水ではなく、水道からバケツに汲んでカルキ抜きした水と入れ替える作業の間、ご覧のように芝生を眺めさせていました。

 見ていると、ガラス面に移る自分たちの姿を新しい仲間と思ってはしゃぐ感じに見えるときがありました。 二匹は、それぞれ、喜ぶのと、驚くのと 少し違う様子を見せていました。

 小柄なメダカにも、性格がそれぞれあるのだなと、思いました。

 ただし、積極性にやや違いがあっても、とても仲良く暮らしている様子が見受けられますので、「いいなぁ」という気持ちになります。

 以前にも掲載させていただいた川柳を 再掲させていただきます。

 目高(メダカ)には 上から目線は ありませぬ

 今日も、良い日となりますように。

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2020年11月15日 (日)

愛は意志である

愛は意志である ・・・

 この言葉に初めて出会ったとき、驚きました。それまで、愛は感情に根ざしているものだと、さしたる根拠もなくずっと思いこんでいたからです。

 

 でも、この言葉に出会って考えてみると、確かに「あんぱんが好き」、「ココアが好き」「カレーが好き」というのと「わが子が好き」というのとは次元が違うことに気がつきました。

 

 母性愛・父性愛という言葉は、しばらく前までは特に意志がなくても、子どもが生まれたら親となった大人に自然に備わっているのだと、自明の理のように思われていました。確かにそういう面もあると思います。

 

 でも、もしそうだったら、児童虐待や育児放棄ということがどうして起こるのでしょうか。

 

 赤ちゃんが夜泣くと、大人は眠い目をこすりながら、その泣き声に応えて求めていると思われる対応をします。そのとき、眠気に立ち向かわせてその行為を支えているのは何かの利益を求める気持ちではなく、意志ではないでしょうか。その意志がもてないとき、赤ちゃんを憎いと思い、赤ちゃんの求めているのではない行為によって泣き声を強制的に静めようとしてしまう人もいるということではないでしょうか。

 

  泣くことしかできない弱い存在の幼な子・・・それだからこそ、全身を耳にして幼な子の心を聴き、よかれと考えることを疲れを乗り越えてする、その積み重ねが、幼な子をいとしいと思う心をはぐくんでいく・・・そういう側面もあるように思います。

 

 「愛」には、様々な様態、いろいろなレベルがあって、とても私などが書ききれるものではありませんが、大きくは次の三つだと書いている書物があります。

 相手が見返りを与えてくれることを期待して与える愛

 

 バレンタインデイにおける本命の人へのチョコレート

 

 人間として尊敬し、お互いを磨きあい、成長に向かわせ合う愛

 

 「走れメロス」に描かれているメロスとセリヌンティウスの友情

 

 見返りを期待できないけれど相手のために自分の全存在を賭けて愛する愛

 

 神のゆるしを得させるために、すべてを棄てて十字架に自らの意志でかかってくださったイエス・キリストの愛・そのキリストをこの世におくってくださった神様の愛

 

聖書のことば ヨハネによる福音書 第3章16節

 神は、実に、そのひとり子をお与えになったほどに、世を愛された。それは御子を信じる者が、ひとりとして滅びることなく、永遠のいのちを持つためである。

 

イザヤ書 第43章4節

 わたし(神)の目には、あなたは高価で尊い。わたしはあなたを愛している。

 

 とるに足りない私たちを、全知全能の神様が愛していてくださること、そのことを一人でも多くの方が知り、信じてその愛を受け入れることができますように。・・・心からお祈りいたします。

 

 

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2020年11月14日 (土)

『星の王子さま』 について山本容子さんが・・・

0002_20201111104901  サンテグジュペリの『星の王子さま』について、銅版画家の山本容子さんが岐阜新聞11月8日朝刊で書いておられました。すてきな文章だと感じましたので、引用紹介させていただきます。 ありがとうございます。

 この文を読んでいて、私がお世話になった教育の道の先輩の言葉を思い浮かべました。

徹する ・・・ 井戸を掘るときには水が出るまで掘る 

 山本容子さんの文と読み合わせて 胸の中で じわーっ と 味わっています。

 名作は、読む人それぞれの中に宿り、息づいている ・・・『星の王子さま』を改めてゆっくり読んでみたくなりました。

 今日も、良い日となりますように。

 次男の誕生日です。 おめでとう!!

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2020年11月13日 (金)

散歩の途中で 南京ハゼ

 ウオーキングの途中で3分間は息が弾むほどの早足ペースで、手も前後に動かしながら進むと効果的・・・うろ覚えですけれど実行して、本当に息が弾みました。

0001_20201110201201  そんななか、ふと目にとまった光景です。先日は黒い実ばかりだった南京ハゼが白くなりつつありました。白も黒も両方あるところが、また自然の美を感じさせてくれました。

 美しい光景が目に入ると その日全体が美しい時間となるように思い、幸せを感じました。

 今日も、良い日となりますように。

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2020年11月12日 (木)

菊薫る

Photo_20201110195101  岐阜公園に久方ぶりに行ってまいりました。 菊花展・菊人形展が開催中で、まさに菊薫る空間でした。

 大河ドラマ「麒麟がくる」にちなんだ菊人形、Photo_20201110195701

ミニ岐阜公園をたくさんの菊の個性を生かしながら

全体は美しく調和している景観 ・・・ 

すてきな時間を過ごさせていただきました。

 

 

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 岐阜市のポスターにも魅せられました。

 お風邪を召さないで、お健やかで良い日々をおすごしくださいますように。

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2020年11月11日 (水)

『ナミヤ雑貨店の奇蹟』 東野圭吾 著

0012_20201109200801 『ナミヤ雑貨店の奇蹟』

東野圭吾 著

KADOKAWA 2012年3月30日初版発行

       2017年4月5日 3版発行

 東野圭吾(ひがしの  けいご)さんは、1958年 大阪府生まれ。江戸川乱歩賞・日本推理作家協会賞・直木賞・柴田錬三郎賞・吉川英治文学賞などを受賞され、推理小説には、映画化された作品がありますね。

 この本は、大きな事件が起こるわけではなく、本来は、浪矢(なみや)雑貨店なのに、勘違いとかも作用したのでしょうか、なやみを書いておくとその返事が返ってくる雑貨店となっていきました。

 最初は、例えばこんなやりとりだったそうです。

問 ガメラは回転しながら飛んで、目が回らないでしょうか。 ガメラの友だちより

回答 ガメラはバレエを習ったのだと思います。バレリーナは、どんなに早く回転しても目が回らないそうです  ナミヤ雑貨店

 私の心に残ったのは、ある悩みへのこんな回答です。

 ・・・どうか信じていてください。今がどんなにやるせなくても、明日は今日より素晴らしいのだ、と。

 よろしかったら、どうぞ。

 

 

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2020年11月10日 (火)

『みつばの郵便屋さん』

0008_20201108144601 『みつばの郵便屋さん』

小野寺史宜 著

ポプラ社 2014年8月5日 第1刷発行

 この本のタイトル、なんとなく、 蜜蜂の郵便屋さんと思い込みかけていました。「うなぎのひつまぶし」を「うなぎのひまつぶし」と読み間違えるような勝手な作用が多くならないように気をつけますね。

 みつばという住宅地区に配達を担当する郵便配達員の青年・平本秋宏が主人公で、彼には年子の兄がいます。その兄がちょっとした人気タレントで、時々、間違われそうになることがあります。

 責任感強く、配達員の仕事をなし遂げようとする彼には好感を覚えました。たくさんのかたに人気がある作品らしく、シリーズになって進行中のようです。

 一通の葉書・手書きを届けることは、人と人との心を結ぶこと・・・こんな言葉を思い出しました。

 もし、私たちが 一年に何通か、心のこもった手紙を発送し合ったら、どんなにすばらしい世の中になることでしょう。  ー ヘレン・ケラー ー

 今日も、良い日となりますように。

 

 

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2020年11月 9日 (月)

「薬」についての 心得

0003_20201108144001  お世話になっている接骨院の院長さんは柔道整復師の資格をもお持ちです。

 柔道整復師は、国家試験に合格すると得られる資格で、このお仕事には100年ほどの歴史があるのだとのこと。

 そういえば、少年時代に講道館柔道の三段以上のかたは整体に関する資格を与えられているというようなことを耳にしたことがありました。

 毎月いただくたよりに、身体のために役に立つ情報がありますので、紹介させていただきます。柔道整復師のかた、ありがとうございます。

 寒くなってきますが、健康で、この冬を乗り切りましょう!!

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2020年11月 8日 (日)

アポロ計画に貢献した四歳の女の子  

0001_20201105101201  NHKテレビ アナザーストーリーズ 2020年10月8日 放送 「アポロ11号 月面着陸 ~偉業に隠された50年目の真実」という番組を見ました。 アポロ11号が月面着陸に成功したのは、50年前のこと・・・(そのとき、私は教師として歩み出したばかりで、加茂郡の白川中学校に勤めていました。)

 このニュースに世界は大いに湧き、大阪万博では、月から持ち帰られた石が展示されて人気を呼びました。

 番組で紹介されたのは、アポロ計画でプログラマーとして活躍したマーガレットさんとその娘のローレンさんです。ローレンさんは当時4歳だったそうです。

 4歳の子が、国家の大プロジェクトにどう貢献したのでしょうか。

 

 マーガレットさんがプログラミングに取り組んでいるとき、ローレンさんが偶然、キーボードにP01と入力してしまい、その操作をすると、それまでに記憶したデータがすべて消えてしまったのだそうです。

 マーガレットさんは、実際の宇宙飛行で同じことが起こったら大変だと、そうしたミスの起こらないプログラムに改造すべきだと提言し、実際にそうしたプログラムを作ることに取り組んだそうです。

 NASAの多くの人は、優秀な宇宙パイロットは完璧で、4歳の女の子が偶然に操作して起こったのと同じ事態を引き起こすことはないと考えていたとのこと。けれど、1968年、アポロ8号が飛行していたとき、宇宙飛行士がP01と入力して、ローレンの場合と同じ事態が実際に起きたのだそうです。幸い、万一の場合を想定して準備していたマーガレットの助言でその失敗をカバーできたとのこと。

 猛スピードで進む宇宙船同士を数センチ以内の精度でドッキングさせることは手動ではできないことでした。1966年ジェミニ8号が成功したのは、コンピュータの成果でした。その成功を土台として、アポロ11号の時、司令船に月面におりた宇宙飛行士の乗った船コロンビアがドッキングするとき、時速4800キロで動いている司令船に秒速11キロで上昇・・・0・1秒ずれると両者の距離は130メートルも離れてしまうという状況の中でただ一回限りのチャンスを成功させることができました。1969年7月24日、無事、アームストロング船長たちは地球に無事に帰還することができました。

 マーガレットさんは、このテレビ画面のように語っています。0002_20201105103901

人間は失敗するものです。その失敗をカバーしてくれるように、あらゆる場合を想定して対応できるようにプログラムを作らなければなりません。前例のないことですから、アポロ計画に携わっているときはいつも凍り付いているようでした。宇宙飛行士の命を預かっているのですから。「どんな人間にだってミスはある。そのとき助けてくれるのがコンピュータです」

 マーガレットさんは、こうも語っています。みんなで力を合わせて、あらゆる準備をしていたから・・・そうなのです。 こんな記事を思い出しました。 

 チェスの名人がコンピュータと対戦していたとき、観戦記事を書いた記者がこう結んでいました。

 「その場にいたたくさんの人が、名人を応援し、温かく激励していた。けれど、コンピュータを応援しているコンピュータは、一台もなかった。」

 チェスの名人とコンピュータの対戦は、実は、コンピューターの動きをプログラムした人間チームと一人のチェス名人との対戦なのです。

 どんな文明の利器も、ゴーサインを出すのも、どのように動くのかも、動作をストップするのも 人間のコントロール下にあるのですね。そのことに誇りと責任を持ち続けていたいと思います。

  今日も、良い日となりますように。



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2020年11月 7日 (土)

『みずをくむプリンセス』

0011_20201104092201 『みずをくむ プリンセス』

文 スーザン・ヴァーデ

絵 ピーター・H・レイノルズ

訳 さくまゆみこ

さ・え・ら亜書房 2020年5月 第1刷発行

西アフリカのブルキナファソ という国出身の

ファッションモデル ショージー・バディエルさん0018_20201104092301

の実体験に基づいて生まれた本です。

世界では10億人くらいの人が近くに水がない暮らしをしていて、ブルキナファソでそだったジョージーさんは水くみのために毎日平均6.5キロ くらい歩き、汲むことができたのも美しい水とは言えませんでした。
 現在、アフリカに井戸を作るカナダの「ライアンの井戸」というプロジェクトが協力してくださる人と一緒に活動しているそうです。

水は生活に欠かせないもの・・・国境を越えて、こうした活動が豊かに展開される世界となりますように。 大国が「自分の国が一番だぁ」と張り合っているのは ほめられたことではありませんよね。 今日も、良い方向へ半歩でも前進できますように!!

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2020年11月 6日 (金)

ぎんなんご飯

金色のちひさき鳥のかたちして銀杏ちるなり夕日の岡に  与謝野晶子

 すてきな短歌ですね。最初は、「岡の夕日に」となっていて、その後、「夕日の岡に」に落ち着いたようです。

 紅葉、そして黄葉が美しい景観を呈してくれる季節になってきましたね。

 銀杏には、「いちょう」という読みと、もうひとつ、「ぎんなん」という読みがありますね。上記の歌では「いちょう」、それから金色は「こんじき」と読むようです。もちろん「きんいろ」とお読みになっても、間違いというわけではありません。

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 先日、ぎんなんをいただき、ぎんなんご飯を炊いて味わわせていただきました。 紅葉の季節は美しく、そして美味しい季節ですね。

ありがとうございました。

 今日も、秋を楽しめる日となりますように。

 

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2020年11月 5日 (木)

『我ら 荒野の七重奏』 加納朋子 著

0003_20201102222601 『我ら 荒野の七重奏』

加納朋子 著

集英社 2016年11月10日 第1刷発行

 図書館でこの本を目にしたとき、吹奏楽部を舞台とした青春読み物だと思いました。 確かにある中学校の吹奏楽部が舞台なのですけれど、中心的に描かれているのは、その吹奏楽部の親の会のメンバーの奮闘記です。

 著者自身のあとがきから・・・

 爽やかな部活ものが大好きです。・・・本書は2010年にだしていただいた『七人の敵がいる』(集英社)の続編にあたります。ミセス・ブルドーザーこと山田陽子が、本書でも大暴れしています。前作を読んでいなくても全く問題はありませんが、読んでいただいた方が、ところどころ、よりお楽しみいただけるかもしれません。

  ◇    ◇    ◇    ◇    ◇

 吹奏楽部の親の会のメンバーになるとこんなに仕事があるのか、と驚くほどいろいろなことに直面する山田陽子さんですが、とてもダイナミックにそれらを解決していきます。

 よろしければ、どうぞ。

 今日も、良い日となりますように。

 

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2020年11月 4日 (水)

この写真の場で起こったこと

0006_20201101203601  一枚の写真 ・・・ さぁ、どんな事件の現場でしょう。 うーむ・・・あなたが名探偵ホームズでも正解は出てこないかも知れませんね。

 いえいえ、かく申す私も、説き明かしていただいたので、この写真の場所で展開したことをお伝えすることが何とかできるのです。 お待たせいたしました。

 さて、そのお話とは・・・。

 ここは、私の通わせていただいているキリスト教会が入手した駐車場の一隅です。

 草の生命力は驚くほどたくましく、皆さんで力を合わせて除草しても、特に気温の高い日が続く時期にはスクスクと生長してまいります。

 教会員のあるかたが、時間を作って、この駐車場の除草をしてくださっていました。ご自分の畑をお持ちで、その日は、草刈り機を持参くださって、道路に小石を飛ばす心配のないところを綺麗にしてくださっていたそうです。

 10月の気温の高い日 そこに現れた一匹のくちなわ・・・ふるい言葉で申してしまいました。 縄に口はないのですが、蛇ですね それも、マムシ だったそうです。

 わたし、ムーミンパパではなく、畑仕事・農作業の経験豊かな、沈着冷静なそのかたのところに現れたのが、そのマムシの一生の不覚・・・その方は 長靴を履き、そして、ご覧ください 手頃な長さの竹の棒がこの地に落ちておりました。

 この後のことは、ご想像にお任せいたします。 物言わぬ土地の一角にも、このようなお話が秘められているのですね。

 私自身の今までの歩みにも、落ち着いて振り返ってみると、突然大きなことに遭遇したその場に、そのことを解決するための手段、装備が備えられていたことが 何回かありました。 そうしたことをつなぎ合わせて 河合隼雄さんのおっしゃるように 人生で出会うかたたち、起こる出来事などがつながって、ちょうどバラバラに存在するように見えていた星が、実は星座を形成しているのを発見するような日が来るのではないか と 秋の夜空を見上げながら 考えております。

 11月・・・ 健康を保って、良い日となりますように。

 

  

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2020年11月 3日 (火)

『還暦少年』 平山 譲

0002_20201102222401 『還暦少年』

平山 譲 著

講談社 2014年7月15日 第1刷発行

 著者の平山 譲 (ひらやま ゆずる)さんは、1968年 東京生まれとのこと。

 この本で初めて知ったのですけれど、60歳以上の選手たちで構成される野球チームは、日本全国で400以上あり、全日本還暦野球連盟という組織があるのだそうです。

 著者の平山さんは、還暦以上の年齢になって、ますます情熱を込めて野球に打ち込んでいる方たちに取材を続け、この小説を書き上げられました。

 輝かしい球歴を持つ父親が、なかなか思うように進めない息子を励ます言葉が印象に残りました。

 「レギュラーになれるか、なれないかじゃなくて、レギュラーになろうと一生懸命なおまえを、父さんは応援し続けるよ」

 ー 九番 代打 キムラ君 の章 ー

   ◇    ◇     ◇      ◇

 定年をすぎて、入った野球チーム ・・・ 輝くばかりの野球の経歴の持ち主が守るセンターに打球が飛んで、俊足でキャッチした彼のバックホームの投球に期待のまなざしが注がれます。 けれど、渾身の送球は、中継に入った二塁手までも届かず、周囲をがっかりさせます。一番落胆したのは彼自身でした。 以前は、ダイレクトで捕手まで矢のようなボールが届いてアウトにしていたのに。

 再就職でパートタイムの清掃業で、知的障害のある青年と一緒に働くようになって、もどかしさで厳しく指導する彼は、所長からこう諭されます。「誰もがみんな、ナカジマさんみたいに、完璧な人間じゃないんです。」

・・・務め始めたときに、この所長に「ご自身のお子さんを育てたときのことを思い出しながら、障がいのある作業員たちに接してください」と言われていたのですが、猛烈社員として働いてきたナカジマさんは、自分の息子とコミュニケーションがうまくとれなくなっていて、所長の言葉にも戸惑うばかりだったのです。 所長は、プロ野球の審判員の名前を全部覚えているけれど、ほんとうに野球を見たことのない青年を東京ドームに連れて行っていくれるようにとオープン戦のチケットを準備してくれました。 ドームでの観戦は手間がかかりましたけれど、大きな収穫がありました。

 作業所の青年たちにレクリエーションで野球を体験させたいとナカジマさんが提案し、所長がゴムボールやプラスチックバットなどを用意してくれて、その提案が実現し、障害を持つ青年たちとナカジマさんの距離はぐんと近づきました。

 ナカジマさんは柔道整復師になった息子とコミュニケーションがとれるようにもなります。

 ー 七番 センター、ナカジマ君の章 ー

 胸が熱くなるところがたくさんあって、つい、長くなりました。

 野球好きのかたも、それほどではないかたも、よろしければ、どうぞ。

 もうしばらくは、スポーツの秋・読書の秋ということで、いかがでしょう。

 良い日となりますように。

 

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2020年11月 2日 (月)

ちょっとお出かけ

0003_20201101194101  11月の別名は霜月 でも、まだ昼間の陽射しは暖かいので、昨日は戸外でのランチを、と、もくろみました。

 ランチを包むのは、ムーミンママへの孫娘からのプレゼント・・・藍染め体験で作ったナフキンです。

 そんなこんなで、特別に美味しいお弁当となりました。

 生かされて ひとひ一日が 晴れ舞台

 どうぞ、お健やかで、良い日となりますように。

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2020年11月 1日 (日)

上田敏 『海潮音』から 秋の詩

0004_20201031093701  「山のあなたの空遠く」などが収められている上田敏さんの訳詩集『海潮音』から、秋の詩を・・・

秋が深まり、11月がスタートしましたね。 どうぞ、健康で、お歩みください。

 ウオーキング中に見かける南京ハゼが紅葉してきました。

 秋  ー 上田敏 『海潮音』からー

オイゲン・クロアサン

 




 
 けふつくづくと眺むれば、
 かなしみ いろくち
 悲 の色口にあり。
 
 たれもつらくはあたらぬを、
 
 なぜに心の悲しめる。
 

 あきかぜ       あをこだち
 秋風わたる青木立
 
 葉なみふるひて地にしきぬ。
 
 きみが心のわかき夢
 
 秋の葉となり落ちにけむ。

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