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2020年11月20日 (金)

『フィデル 出陣』 海堂 尊

0014_20201117202901 『フィデル 出陣』

海堂 尊 著

文藝春秋 2020年7月30日 第1刷発行

 タイトルにあるフィデルとは、キューバ前国家評議会議長フィデル・カストロのことです。

 この本は史実をもとにしたフィクションと書かれています。・・・2011年10月にキューバを訪れて以来この本を書くために著者が集めた書籍は1800冊を超えたそうです。

 巻末に「オバマ大統領、広島訪問」(「週刊文春」連載開始初回冒頭) 2018年2月15日号) ・「ローマ教皇フランシスコ、広島長崎訪問」(週刊文春」連載最終回末尾 2019年12月19日号)

 オバマ大統領は2016年5月27日、ヒロシマで献花し、「核保有国は『核兵器なき世界』を目指す勇気を持たなければならない」と述べた。

 感銘を多くの人に与えたけれど、カストロは、2016年8月13日、90歳の誕生日を前にオバマ大統領が何十万もの市民を殺戮したことを謝罪しなかったと非難し、高潔でないと党機関誌に寄稿した、と上記の文で海堂さんは書いておられます。

 そして「どんな大国も多くの人命を奪う権利はない。平和を守るため努力し続けなければならない」という毅然とした言葉は、日本の首相に発してもらいたかった・核大国アメリカ合衆国に忖度することなく核廃絶の騎手となるべきだと明言しておられます。

 国民に対して語った言葉を守り、結果的に守れなかった時には率直に謝罪したフィデロ・カストロという政治家の姿がまぶしく見える ・・・ その思いがこの本を執筆した著者の原動力であったことが伝わってまいりました。

 本文の中ではカストロが引用しているホセ・マルティという人の「死ぬべきときに死ぬのであれば、それは生きることだ」(381ページ)という言葉が印象に残りました。

 ※ 私は、情熱的な革命家に憧れるタイプではありません。海堂 尊さんも、前世紀半ばのキューバでは困難だったこと・・・今の日本国民が穏健に銃弾も発さずただ声を上げることで世の中を穏やかに変えようとしているやり方には日本人の一人として、誇らしく思うと記しておられます。 人類が叡智を結集して、平和の内に いろいろな問題を解決していくことができますように。

 平和をつくる者は幸いです。その人たちは神の子どもと呼ばれるからです。 山上の垂訓 マタイの福音書5章9節

 今日も、良い日となりますように。

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