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2021年2月 4日 (木)

『人間の道理』  曾野綾子 著

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曾野綾子 著

河出書房新社 2020年10月30日 初版発行

 比較的新しい本で、ワクチン、抗生物質、免疫システム、ソーシャルディスタンスなどの語も出てきます。

 今までの曾野綾子さんご自身の著作から、タイトルに合わせて選ばれた文章集という意味合いの1冊です。

 結びの章は「人間は、次の世代に希望とともに絶望も教えなければいけない」となっていて、全体にクールな印象を与えるセンテンスで構成されています。

 まえがきも、こんな感じです。

 人間はこの地球上の哺乳類という動物だ。だから自分の存在の重さを、それ以上にもそれ以下にも、あまり大きく逸脱して感じない方がいい。その時に初めて自分になれる。

 本文で、特に印象に残ったのは、悲しみを受けとめる時、人はもっともみごとに人間になるという言葉です。

 曾野綾子さんの本から、もう1冊。

 アフリカなど世界のいろいろなところで献身的に働いておられる神父さんを通して、ここを支援するためにお金を使えば意義のある活用をしていただける、というところを援助して、実0002_20210202152901 際に自分たちで交通費などの一切を自己負担して現地に足を運んで見届け、状況を書かれた本、それが『朝はアフリカの歓び』(文藝春秋 2012年4月20日 第1刷発行)です。

  たとえば、マダガスカルの産院を訪問して、未熟児用の保育器が使用期限が切れていて時々サーモスタットが動かず、中の温度が上がったままになることがある という話を聞いた曾野綾子さんは、急遽日本から保育器を送ることにしました。

 着実に産院に届けるために、高い運送費をかけて保育器をエールフランス二頼んで空輸し、現地空港で確実に荷物を下ろしてもらい、それをシスターに受け取りに行ってもらい・・会う待った大勢のお母さんは歓迎のダンスをした。 その真っ最中に洗濯場の未亡人が「あの保育器の段ボール箱はどうするのか」としきりにきいてきた。ぜひ、ほしいというので用途を聞くと・・・ その後、曾野綾子さんは、その用途が予想できますかと尋ねた人で正解できた人はいなかったそうです。

 答えは、大雨が降ると破れたままの屋根から寝ている子どもたちの上に滝のように降り注ぐ雨水を防ぐために、子どもたちの上に拡げてかけてやりたい、ということだったそうです。

 救援物資を届ける車などは、板をたくさん積んで、せっかく架けられた橋の板が盗まれて売られてしまっているので、橋の手前で車を止め、橋に板を並べて渡り、その板を回収して積んで先へ進むという例も書かれていました。

 母乳の出ない母親の子どものために渡した貴重な粉ミルクが赤ちゃんまで届かず、スプーンいっぱいいくらで売られてしまう場合もあるほどの貧しいひとたちのことも書かれていました。

 現地に足を運んで、日本では想像することも出来ないような現実にたくさんぶつかってこられたので、昨日紹介させていただいた『人間の道理』にも、そのことが反映されているのだと感じました。

 アフリカの夜明けは、本当に美しく、それを詩に書きたいと願いながら書けないでいるので、まずは、この本のタイトルとしてつけた、と文中にありました。 よろしければ、どうぞ。

 今日も、良い日となりますように。

 

 

 

 

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