2020年9月25日 (金)

『読むことは生きること』 

0003_20200924232901 『読むことは生きること』

柳田邦男

新潮社 1999年1月30日 発行

 昨日の海堂 尊さんの文章の引用に終わっては、バランスがよくないと思っていましたら、9月24日夜11時過ぎに、この本の中の以下の文章に出会いました。それを引用紹介させていただいて、ご理解を得たいと思います。 このブログの昨日と今日の引用文章の両方を読んでいただけることを感謝申し上げます。

 今日も、良い日となりますように。

  ◇    ◇    ◇   ◇   ◇

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2020年9月24日 (木)

『ケルベロスの肖像』 海堂 尊 著

0002_20200914105101 『ケルベロスの肖像』

海堂 尊 著

宝島社 2012年7月20日 第1刷 発行

 この本の73ページに、情報モンスターと密かに呼ばれる患者のことが書かれています。

 この小説に登場する作中の人物について書かれていることなのですけれど、現実社会でお医者さんをなさっている海堂 尊(かいどう たける)さんの筆によるものなので、私自身も陥りやすい落とし穴でもある内容であり、一読に値する記述だと思いました。

 引用紹介させていただきます。

 現在のインターネットの便利さで何かについて検索し、知っているつもりになってしまって足元が危ういものにならないように、自戒の念を強くさせられました。

 ※ この文だけでは、患者さんの側のお気持ちが安らかではないでしょうし、それは、海堂 尊さんの本意でもないと思います。それで、明日は、日野原重明医師の医学教育の刷新について、評論家の柳田邦男さんの文章をご紹介し、今日の海堂 尊さんの文章とのバランスをとりたいと思います。

 今日も、良い日となりますように。

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2020年9月23日 (水)

『嵯峨野花譜』  葉室 麟 著

0002_20200917142701 『嵯峨野花譜面』

葉室 麟 著

文藝春秋 2017年7月15日 第1刷発行

  江戸時代の大きなお寺には、活け花を立てる役目、花務職というのがあったようです。この物語は、そこで薫陶を受けながら成長していく少年僧、胤舜(いんしゅん)が、難しい課題を与えられて心を澄まして花を活ける話が10話収められています。

 それぞれの話に登場する植物のこと、和歌、源氏物語、能、西行や祇王のこと、など、作者、葉室 麟さんの広くて深い文化の世界が展開しています。

 よろしければ、どうぞ。

 今日も、良い日となりますように。

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2020年9月20日 (日)

絵本『羊男のクリスマス』  村上春樹・佐々木マキ 

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※ 今日の記事は、9月15日に、田辺聖子さんの本と一緒にアップしてしまっていました。

 改めて、こちらの日付で公開させていただきます。既にそのときに読んでくださった方は、以下は読まないで、せっかくの日曜日の時間を ゆっくりとおすごしになってください。

『羊男のクリスマス』

村上春樹  文   佐々木マキ 絵

講談社 1985年11月25日 第1刷発行

    1985年12月16日 第2刷発行

 この絵本の前書きを見ると、どうも村上春樹さんが佐々木マキさんに「何でもいいからまず絵を描いてください」といったのだそうです。

「その絵を見てから話を考えます」

 それで、佐々木マキさんが灯台の近くで眠っているクジラの絵と等身大のテデイ・ベアが女の子とたわむれている絵を描いて送ったら、1年ほどして文章が送られてきて、その話に基づいて佐々木マキさんが愉しみながら絵を描いて、この絵本が出来たのだそうです。

 クジラもテデイ・ベアも出てこないけれどもっと素敵な変てこなものが次々と出てくる絵本です。

 不思議な成り立ちの本なのです。 そのころ、村上春樹さんはギリシャのエルミオーニというところにおられたようです。

 クリスマスシーズンではありませんけれど、よろしかったら、どうぞ。

 そうそう、村上春樹さんの別の本に、こんな早口言葉が登場していました。春樹さんは、羊が好きなのかも知れませんね。

 この早口言葉、挑戦してみてください。

 「ひつじ年の執事は 手術の必需品」 ・・・ 簡単 簡単ですって・・・ あなたは 滑舌の良い方ですね。ブラボー!!

では、3回繰り返してみてください。

「ひつじ年の執事は 手術の必需品  ひつじ年の執事は 手術の必需品 ひつじ年の執事は 手術の必需品」

はーい、ありがとうございました。 今日も良い日となりますように。

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2020年9月19日 (土)

『ココロの止まり木』 その3  「明るく元気に」病

0001_20200917133701  「明るく元気に」は、プラス面の言葉として、学級目標などにも、(ひょっとしたら職場にも)登場しそうなスローガンですね。でも、河合隼雄さんのこの文章のタイトルは、それに「病」の文字がくっついています。 さて、どういうことなのでしょうか。 関心を持たれた方は、少し長い引用になりますが、お目通しください。

 写真は、我が家の菜園でこの夏たくさん実ってくれたシシトウの写真です。そろそろその苗の働きはゴールが近くなってきました。深い緑色のシシトウを新鮮に味わえて喜んでおります。

 実りの秋 ・・・ よい日々となりますように。

 

  ◇   ◇   ◇

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2020年9月18日 (金)

『ココロの止まり木』   その2

 昨日に続いて、河合隼雄さんの『ココロの止まり木』からです。

リスク

 リスクをおかす と日本語の文脈はなるけれど、英語では デンジャーとは別のニュアンスがあって、ウエブスターの辞書では、リスク・・・「危険なチャンスを選びとるという意味をもつ」ことが書かれているそうです。こうしたことを踏まえて、作家の幸田真音さんは「リスクをとる」という表現をなさるとのこと。 この文の結びは、こうなっています。

   ◇    ◇     ◇

 ここで「日本の政治家でリスクをとる人間が少なすぎる」などと悲憤慷慨するのもいいかもしれないが、その前に自分はこれまでどれほどの「リスクをとる」人生を送ってきたか、これからどんなリスクをとろうとするのか、などと考えて見るほうが、リスクがあっておもしろいようにおもう。

   ◇    ◇     ◇     

 臨床心理学者・心理療法家であり、文化庁長官などもなさった河合隼雄さんのことばなので、深さと味わいを感じながら読み進んでいます。

  明日、その3として、カウンセラーとしての河合隼雄さんの在り方のよく伝わってくる文章を紹介させていただきます。

 今日も、良い日となりますように。

 写真は、同じ日に四輪咲いたアジアン・ハイビスカスです。三輪咲いた日はありましたけれど、四輪は最多記録です。

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2020年9月17日 (木)

『ココロの止まり木』  河合隼雄 著

0007_20200914110901 『ココロの止まり木』

河合隼雄 著

朝日新聞社 2004年5月30日 第1刷発行

 装幀は安野光風雅さんとのこと。 一話が3ページほどのお話が、読みやすい文体で綴られています。

 「年齢を括弧に入れる」という文を例として紹介させてください。

 フルートを習っていた河合隼雄さんは70代にもなると40人ほどの門下生の中でも最高齢で、他の若いお弟子さんたちの成長と比べると、「この年では駄目だろう」と思いがちになる。・・・そこで思いついたのが「年齢を括弧に入れる」ということだそうです。

 これは「年齢を忘れて」といのではなくともかく年齢は年齢としてやってみようということだそうです。

   ◇    ◇    ◇    ◇   ◇

 年齢を括弧に入れて、時にははずしてみたり、括弧の囲みを強くしたり、弱くしたりすることで人生はだいぶ豊かになる 

 少し難しい曲に挑戦してみたら、発表会の後、先生から「今回は前よりはスケールが大きくなった。この調子だとまだまだ進歩するのでは」といっていただいた。最初から年齢にこだわっているのとは異なる、ふっきれたところがあるのだろう。 年齢を括弧に入れるのは、高齢者のみならず、若い人にも言えることだろう。括弧に入れたりはずしたりで、生活が豊かになるように思われる。

   ◇     ◇     ◇      ◇     ◇

 今日も、良い日となりますように。  明日、この本からもう一つ 紹介させていただきますね。

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2020年9月16日 (水)

新源氏物語 『霧深き宇治の恋』 田辺聖子 著

0014_20200908113001 『霧ふかき宇治の恋』 田辺聖子 著は、紫式部の『源氏物語』の後段、薫の君と浮舟などを描いています。田辺聖子さんの豊かな文才が遠慮することなく花開いていて、まさに新源氏物語です。

 『源氏物語』の現代語訳は、谷崎潤一郎さん、樋口一葉さん、与謝野晶子さん、瀬戸内寂聴さんなど何人ものかたがなさっています。そのなかでも田辺聖子さんのこの新源氏物語は秀逸ではないでしょうか。

 河合隼雄さんが『源氏物語』を海外のかたに紹介すると、「俺たちの祖先がよろいかぶとを身につけて血なまぐさい日々を送っているときに、日本では女性がこのような小説を書いていたのか」と大きなショックを引き起こしたそうです。ドナルド・キーンさんが日本文学に魅せられ、3.11東日本大震災のおりに日本の人を勇気づけようと帰化してくださったのも、そのきっかけは『源氏物語』との出逢いでした。

 紫式部の原文が一番だとおっしゃるかたも多いと思います。0015_20200908113101

でも、よろしければ、一度この書を手に取ってみてください。上下2冊になっています。

 今日も、良い日となりますように。



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2020年9月15日 (火)

『青嵐の坂』  葉室 麟 著

0016_20200908104301 『青嵐の坂』

葉室 麟 著

角川書店 2018年5月31日

 葉室 麟 (はむろ りん)さんのことは、図書館司書の方に教えていただいて読むようになりました。

 直木賞を受賞した『蜩の記』(ひぐらしのき)は映画化されていましたね。

 窮状に置かれながらも志を貫く硬派の武士の生涯を描いた作品が多いかただと思います。

  他の作家の本を読んでいて、葉室 麟さんの本を手にするのは久しぶりでした。

  過酷な状況に置かれ、大任を果たすことを要求される武士が主人公です。

  若いのに人物の器が大きい青年武士が緊迫した財政状況にある藩の立て直しの責任者として、捨て石にされる立場であることを知りながら全力を尽くしつつ歩みます。

 捨て身の覚悟で生きる武士 新しい藩主の覚悟・度量の大きさ 利害を離れて覚醒する商人 「わたしはこれでも武家の娘です」と人間の道に立ち返る女性 ・・・ 懸命に生きる人のまっとうさが筆太に描かれて、読後感はさわやかです。

 よろしければ、どうぞ。

 葉室 麟 さんは、この本が発行される前年 2018年5月31日に逝去なさいました。図書館司書のかたは、そのことを惜しんで、宇江佐真理さんの亡くなったことを話題にした私に教えてくださったのでした。

 今日も良い日となりますように。

 

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2020年9月14日 (月)

『なんらかの事情』 岸本佐知子 著

0009_20200908091001 『なんらかの事情』

岸本佐知子 著

筑摩書房 2012年 11月10日 初版第1刷 発行

 著者の岸本佐知子さんは1960年生まれ。翻訳家で、ご自分の著作『ねにもつタイプ』で第23回講談社エッセイ受賞とのこと。

 

 ムーミンママが友人から紹介されて、図書館で手に取った本です。

 独自の感性が発揮されているエッセイ集で、人間ってほんとうに個性的な存在なのだなぁ と感じさせられました。

 たとえば、エリツィンさんが亡くなったときにプーチンさんの身になって追悼文を書き・・・べつにプーチンさんから頼まれたわけでもなくですよ・・・ そして原稿をボツにされてしまう という 一節があります。 独創的でしょう?! ほかにこういうことを発想なさった方、いらっしゃいますか?

 巻頭の「才能」という文の書き出しはこうです。

 もしもこの世にレジで一番遅い列に並んだ人が優勝する競技があったら、私は確実に個体レベルで優勝する自信がある。

 

 ほかにも、よく似ている形の「ぬ」と「め」がそれぞれ相手を自分と比べて心やすからぬ思いを抱いていて、この両者が用いられている「ぬめり」という単語では、「り」はどんな思いで存在しているのだろう などとありました。 ユニークでしょう?

 よろしければ、どうぞ。 新しい視野が開かれるかも

 今日も、良い日となりますように。

 

 

 

 

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